来年2月の深刻度、真冬の大停電か!? 電力需給逼迫!寒波襲来、発電所の不具合起きれば「全域停電」も 背景に「火力」停止

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東日本大震災直後、節電で暗くなった夜の銀座=2011年3月、東京都中央区
東日本大震災直後、節電で暗くなった夜の銀座=2011年3月、東京都中央区

真冬の大停電は起きるのか。国内の冬の電力需給が過去10年で最も厳しくなることが分かった。太陽光など再生可能エネルギーの拡大に伴い火力発電所の供給が低下していることが大きな要因で、東京電力管内では来年2月にギリギリの状況を迎えるという。寒波の襲来や発電所の不具合などがあれば、「ブラックアウト(全域停電)」のリスクも浮上する。

電力供給を調整する「電力広域的運営推進機関」によると、この冬が10年に1度の寒さになると想定した場合、ピーク時の電力需要に対する電力供給の余力を示す供給予備率は東電管内で来年1月に3・2%、2月に3・1%となる見通しだ。東電管内の予備率は昨年が6・3%、19年が6・6%、18年が4・3%だったから落ち込みが目立つ。

中部、北陸、関西、中国、四国、九州の各電力管内も2月に3・9%の見通しとした。

電力の安定供給のためには8%以上、最低限でも3%が求められることからギリギリの数字で、7つのエリアで3%台となるのは過去10年で最も厳しい状況だという。経済産業省は、追加の電力や燃料を公募で確保する方針を示す。

同機関が5月に出した供給見通しをみると、火力発電所の供給量が約599万キロワット減となるとしている。太陽光発電などが拡大したことで、日中時間帯の採算が悪化した火力発電所の運転を取りやめる事業者が増えているのが背景だという。

ユニバーサルエネルギー研究所の金田武司代表は「石炭や石油などベース電源をないがしろにし、環境問題などを口実に風力や太陽光など新エネルギーへのシフトを急速に進めすぎたためだ。太陽光パネルはほぼ中国など海外製で、外圧も背景にあるのではないか」とみる。

2018年北海道胆振(いぶり)東部地震では、火力発電所の停止が連鎖してブラックアウトが発生、最大約295万戸が停電した。

「東電管内の最大供給力は約5000万キロワットとされ、予備率3%は約150万キロワット相当になるが、全世帯がエアコンの設定温度を1度上げただけで約100万キロワットの需要増に相当する」と金田氏は警告する。

「ブラックアウトが起きれば、医療機関の入院患者や透析患者、新生児らに犠牲者が出る恐れがある。鉄道や水道もまひし、ガソリンや灯油もポンプの停止で供給に時間がかかる。物流が止まり渋滞が起きれば、給水車も容易には来ない。地域ごとに輪番停電が実施され、遅い地域では復旧まで1週間を要することも考えられる」

政府のエネルギー基本計画では、全体の電源に占める再エネ比率を2030年度に現状の2倍以上にあたる36~38%を目指すことを決めた。

このまま再エネ拡大を進めて大丈夫なのか。

金田氏は「各国でコロナ禍明けの電力不足が深刻化するなか、中東でタンカーが襲撃されたり、LNG船がパナマ運河通過に時間を要するなどして1週間でも遅れれば、日本は電力危機に直面する。中国による南シナ海の人工島建設も、日本の資源輸送路にとって障害となりかねない。時流に流されず、『必要悪』として石炭や石油、原発を稼働できる態勢を維持すべきだろう」と語った。

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