韓国から“竹島奪還”自衛隊の隠岐常駐を 主権意識薄い日本人へ「国境の島々の危機」 歴史学者・久野潤氏が緊急リポート

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島根県・隠岐の西郷港にある横断幕。竹島(㊦、聯合=共同)は日本固有の領土だ
島根県・隠岐の西郷港にある横断幕。竹島(㊦、聯合=共同)は日本固有の領土だ

日本固有の領土ながら、韓国の不法占拠が続く島根県・竹島(隠岐の島町)について、岸田文雄首相は9月の自民党総裁選で、「領土、領海、領空を断固として守るのは政治の重大な責任だ」といい、島嶼(とうしょ)防衛強化の検討を進める意欲を示した。竹島は、島根半島の北方、日本海に浮かぶ隠岐諸島に属する。隠岐の人々は「奪われた領土」や「国境の島々の危機」を、どう受け止めているのか。岸田政権や国民に何を期待するのか。隠岐を訪ねた歴史学者の久野潤氏が緊急リポートした。

筆者は10月中旬、隠岐を訪ねた。夕刊フジで6月に集中連載した「承久の変と令和」でも紹介した後鳥羽天皇を祀る隠岐神社(同県海士町)で、「後鳥羽院遷幸八百年記念大祭」が斎行(16日)され、これに招待されたのだ。

到着した隠岐空港からバスで西郷港へ行くと、「竹島は今も昔も隠岐の島」という大きな横断幕が掲げられていた。歴史や国際法を無視して、不法占拠を続ける隣国だけでなく、主権意識の薄い日本人に対するメッセージのようにも思えた。

地元選出の吉田雅紀県会議員(63、自民党、当選2回)はこれまで、「国境の島・隠岐」という意識を強く持ち、厳しい国際情勢を島民らに訴えてきた。竹島や隠岐への思いを語った。

「2月22日の『竹島の日』は、島根県議会が条例で制定した。記念式典には毎年、政務官クラスが出席してくれるが、大臣クラスは来てくれない。国として断固たる姿勢を見せてほしい。2019年1月、北朝鮮漁船が隠岐の島町に漂着して、4人が上陸する事件もあった。国境の島を守るため、県としては『自衛隊の隠岐常駐』を求めているが、駐在員事務所しかない。心許ない」<page/>

韓国は、日本が主権を回復した、サンフランシスコ平和条約発効直前の52年1月、いわゆる「李承晩ライン」を一方的に設定し、そのライン内に竹島を取り込み、54年から不法占拠を続けている。さらに、「竹島だけでなく、対馬(長崎県)も韓国の領土だ」などと、尋常ではない野心を公言する者もいる。

隠岐国一宮の水若酢(みずわかす)神社(同県隠岐の島町)の忌部(いんべ)正孝宮司(74)は、県神社庁副庁長や隠岐地区防衛協会会長も兼ねている。次のように語った。

「当社の御祭神も、古代に朝廷の命を受け、一族を率いて隠岐に渡り、島を開発して海上警護にあたった存在だと言われている。『自衛隊に駐屯してほしい』という要望は、話をした島民はみんな賛成で、署名活動も準備中だ。かつて、『自衛隊を誘致すると韓国が騒ぐ』という島民もいたが、あちらの大統領や国会議員が竹島に上陸してアピールするのであれば、わが国も遠慮する必要はない」

神道青年全国協議会は2014年、この島に「竹島之碑」(忌部宮司揮毫)を建立した。水若酢神社にも、記念植樹が行われた。

■離島防衛と神社

飯田神社(同県隠岐の島町)の米澤壽重宮司(72)は、隠岐の島町会議員6期目で、町会議長や全国離島振興市町村議会議長会会長も歴任した重鎮である。

「議員を兼ねる神職は、隠岐全体では3人いる。排他的経済水域(EEZ)における漁場の確保や安全操業のためにも、必死に訴えかけてきた『竹島問題の早期解決を求める東京集会』をこれまでに4回を開くことができた。韓国が竹島の沖合に『海洋科学基地』を建設しようとしたとき、島民は大反対だったが、国民の多くには実態が知られていなかった」

隠岐・島後(隠岐の島町)の神職数は26人で、人口比では約500人に1人、これは全国平均の10倍以上である。<page/>

また、出雲地方でも2社しかない「名神(みょうじん)大社」(=律令制下で、朝廷に最も崇敬された神社群)が、隠岐だけで4社あることからも、古代以来の「離島防衛と神社の関係」がうかがえよう。

隠岐御着到後、後鳥羽上皇の御製に、「我こそは 新島守(にゐじまもり)よ 隠岐(おき)の海の 荒き波風 心して吹け」がある。

戦後これを、鎌倉幕府に敗れた上皇の恨み節のように捉える向きが多いが、初代神武天皇から今上陛下まで一貫して「国家国民の安寧を祈る御存在」としての大御心が、国境の離島で発露したように思えるのは筆者だけであろうか。

■久野潤(くの・じゅん) 歴史学者、大阪観光大学国際交流学部講師。1980年、大阪府生まれ。慶應義塾大学卒、京都大学大学院修了。政治外交史研究と並行して、全国で戦争経験者や神社の取材・調査を行う。著書に『帝国海軍と艦内神社』(祥伝社)、『帝国海軍の航跡』(青林堂)など、近著に竹田恒泰との共著『決定版 日本書紀入門-2000年以上続いてきた国家の秘密に迫る』(ビジネス社)。

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