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国会再開後「分配」はどうするのか? 政界による「バラマキ合戦」と批判、経済成長後回しの不毛な財政論

zakzak

衆院選を受けて再開される国会は、大型補正予算などによる「分配」が焦点になる。

脚光を浴びそうなのが、政界が「バラマキ合戦」を演じていると批判した財務省の矢野康治事務次官の月刊文芸春秋11月号への寄稿だ。財界やメディアの多くも矢野論文を支持するが、これもまた経済成長後回しの不毛な財政論である。

矢野氏は同寄稿で、税収が増えないのに歳出が増え続けることを「ワニのくち」が開くと論じ、氷山に衝突するタイタニック号に例えて財政破綻危機を警告する。だが、財務省主導の緊縮財政がこれまで25年間も、国民経済を萎縮させ、デフレ病を慢性化させ、肝心の財政収支悪化を招いてきたのではなかったのか。

慢性デフレの始まった1997年度末に比べた2021年6月末の部門別の純金融資産・負債の増加額は家計純資産758兆円、一般政府純負債567兆円、対外純資産261兆円である。

対照的にわれわれの所得に反映する名目国内総生産(GDP)は20年度、1997年度に比べて5・8兆円以上も減った。2021年度も日本だけが新型コロナ不況から抜け出せない。

デフレ圧力に押されて内需が縮小し、金融経済が膨らむ。貧しくなる者がますます貧しくなり、富める者がさらに富む。

市場経済というものは、だれかの資産は他のだれかの負債と等しい。健全な経済では家計の金融資産は企業と政府の負債が増えることで増える。ところがデフレ病の日本では企業が設備投資や雇用を抑え、債務を減らす。政府と海外が負債を増やすことで、家計金融資産の膨張へとつながる。それは経済のゼロ%以下の成長とデフレの産物なのだ。

一般の国民は所得減に苦しみ、強欲な国際金融資本と、低金利のドル資金を食っては肥る共産党独裁の中国を喜ばせる。そんな国が財政破綻寸前のタイタニック号であるはずはない。

膨大なカネ余りの日本は政府が国債を発行して将来に向けて先行投資して、民間需要の呼び水の役割を果たすことが、合理的な選択になる。国債金利ゼロの今しか、そのチャンスはない。そうして経済成長を実現するのが本来の政治家の責務である。なのに、歴代の政権はいずれも財務省の論理に従い、「経済対策」と銘打っては、その場しのぎ、バラマキ同然の大型補正予算で済まし、債務の山を積み上げてきた。戦略性に乏しい財政政策で政官は妥協し、だらだらと無駄金を使ってきたのである。

その結果がグラフで浮き彫りになっている。われわれのフトコロ具合に直結する名目国内GDPは97年度以降横ばいか縮小というトレンドのままで、中央・地方政府と公的年金など社会保障基金を合わせた政府全体の純負債(金融総負債から金融総資産を差し引いたもの)は増加し続けてきた。

財務官僚とメディアが「先進国中、最大だ」と喧伝(けんでん)する政府債務のGDP比が上昇を続けるのは、当然の帰結である。(産経新聞特別記者・田村秀男)

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