対策はアナログで 「転売ヤー」封じに逆転の発想

産経ニュース

世界的な半導体不足や巣ごもり需要の拡大で品薄状態となっている家庭用ゲーム機などをめぐり、高値転売を目的とした買い占め行為が問題化している。仕入れ担当の買い手を意味するバイヤーにかけて「転売ヤー」とも呼ばれる一群の存在が、需給バランスの混乱に拍車をかけているとみられ、販売店側は一見〝アナログ〟な手法も導入し、対抗措置を講じ始めた。

直後に10倍で取引も

《転売ヤーの買い占めがここから加速すると思われる》

《転売屋さんが大喜び》

任天堂が4日、人気ゲーム機「ニンテンドースイッチ」について「需要を満たせるほどの生産はできない」と販売予想の引き下げを発表すると、SNS(会員制交流サイト)ではこんな書き込みが相次いだ。

先月発売された新型スイッチは、すでにフリーマーケットアプリ上で希望小売価格の1~3割増しで取引されている。ツイッターには「#転売ヤーを許すな」というハッシュタグ(検索目印)もあり、怨嗟(えんさ)の声がそこかしこで上がる。

家庭用ゲーム機をめぐっては、昨年11月発売のソニーの「プレイステーション(PS)5」でも転売が横行。フリマアプリでは直後に10倍の値がついた。

フリマアプリで台頭

転売自体は売買の一形態に過ぎず違法でもないが、社会問題として看過できなくなった背景に、フリマアプリ・サイトの普及がある。「誰もが簡単に、高値をつける買い手を見つけられるようになった」と、問題に詳しい福井健策弁護士(第二東京弁護士会)は指摘する。

使い勝手のいい〝市場〟とともに台頭した転売を業とする人は、ネット抽選に自動的に応募するソフトを使ったり、量販店の店頭抽選で動員をかけたりして商品を入手しているという。

最近は、規約違反の出品など悪質な転売も目立つように。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市此花区)では、今月7日までのハロウィーンイベントの期間中、入場するにはQRコードの「予約券」を事前に手に入れる必要があるが、大手フリマサイトの「メルカリ」上では非売品であるこのコードが次々と出品された。USJは取材に対し「同様の行為を確認次第、厳正に対処する」とした。

商品価値「下げる」対策

こうした状況に販売店側も対策を取り始めた。その一つが商品転売時の価値をあえて「下げる」という手法だ。

「転売撲滅」を掲げる家電量販店の「ノジマ」(横浜市)はPS5を引き渡す際、商品の外箱に購入者の名前をフェルトペンで書いてもらっている。

量販店「ビックカメラ」(東京都)でも、人気のトレーディングカードの新商品販売時には、箱を包むフィルム(シュリンク包装)をその場で開封してもらう措置を取っている。

いずれも外箱や包装が手つかずのままの方が、転売時に高値で取引されることを意識した対抗手段。ビックカメラの担当者は「シュリンクの有無で転売価格が異なっているため、抑止になると考えた」と説明、実際にこの手法を取り入れてから、転売目的の購入が減少したことを確認したとしている。

はんこの製造・販売を行う岡田商会(大阪市)は先月、「転売禁止」の文字と店名などを組み合わせられる新たな商品「転売イヤ!」を発売。全国各地の小売店やグッズ製作者から注文が相次いでいる。

一見地味だが、このはんこを押しておくことにより、売買の時点で店側と客側に転売禁止の合意が成立したとみることも可能になるという。これに反して転売した場合は、詐欺罪での告訴も視野に入れられるようになり、福井弁護士は「転売防止の有効な手段の一つになるだろう」と話した。(藤木祥平)

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