静岡県熱海市で7月に起きた大規模土石流をめぐり、起点に残った盛り土や崩落した土砂の成分を分析した静岡大の北村晃寿教授(地質学)が5日、静岡市内で記者会見し、まじっていた貝殻の特徴などから、一部は神奈川県小田原市から運び込まれた可能性が高いとする結果を発表した。
平成18年に起点の土地を取得し不適切な盛り土をしたとされる不動産管理会社は、小田原市に本社を置いていた。
北村教授は今年9月に現地調査を行い、土砂中の貝殻に含まれる炭素を分析。候補となる土地の地層と照らし合わせた結果、土砂は1990~2000年代に造成工事が行われた小田原市の中村川下流域から運搬された可能性が高いと結論付けた。
北村教授は「崩落要因を検証するための再現実験にも生かしたい。引き続き成分調査を進める」と話した。