リニア中央新幹線の長所を強調した漫画冊子を山梨県が作り、県内の学校に配ったのは違法だとして、建設に反対する甲府市の市民団体メンバーが県を相手取り、かかった費用約1200万円を当時の知事らに賠償させるよう求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(渡辺恵理子裁判長)は市民側の上告を退ける決定をした。2日付。市民側の敗訴が確定した。
判決によると、県は「リニアで変わるやまなしの姿」と題する冊子を作り、平成30年、約11万部を配った。原告側は「自然環境への影響など、負の側面に触れておらず偏っている」と訴えた。
令和2年6月の一審甲府地裁判決は「特定の見解を押し付けるものとは言えない」と退け、二審東京高裁も支持した。