肉道場入門!

“完全合法”の生食用肉、サシ偏重に飽き飽きしている方はぜひ 名古屋・オーロックス「近江牛のタルタル」

贅を尽くした近江牛のタルタル
贅を尽くした近江牛のタルタル

 気づけば本連載ももう250回になるという。それでも書くべき肉はまだ無限にあるから、肉の地平は広大だ。

 キリ番回の今回は、しずしずと酒宴と移動解禁を祝しつつ、名古屋にできた隠れ家のごちそう肉を紹介したい。

 文字通りレア中のレア。完全合法の「近江牛のタルタル」である。名古屋駅からタクシーで1メーター、もしくはぶらりと歩いて15分。

 四間道(しけみち)という土蔵造りが立ち並ぶ、街並み保存地区の一角にその店、「aurochs(オーロックス)」はある。引き戸をくぐり、廊下を回遊した後にたどり着く、わずかカウンター6席の肉料理店だ。

 以前にも本連載でタルタルを2度ほど紹介したが、実は国内で完全合法のタルタルを食べるのはとても難しい。

 まず飲食店自体に、通常の調理場とは隔離された、生肉専用の調理場が必要だ。事実上、新店でなければ、保健所の許可を得るのは困難なのだ。

 生食用の肉となると、卸す側の問屋や精肉店でも同様に隔離された作業場が必要だし、肉自体、厳格な検査をくぐりぬけたものだけが生食用として流通することができる。包丁やまな板も生食用肉専用のものが必要となる。

 8月オープンの「オーロックス」では、滋賀県にある、あの名精肉店「サカエヤ」の近江牛をこの店のためだけに生食用加工してもらい、仕入れているという。

 こんな贅沢がまかりとおるのか。昨今のサシ偏重黒毛和牛に飽き飽きされている方に、ぜひ召し上がっていただきたい。初めて食べた瞬間、顔面の全筋肉が弛緩した。バカみたいに旨いのだ。

 食感が残るように切られた近江牛の内ももはやわらかく、コク深い。少しのサシが味を底上げし、香味野菜と塩とオリーブ油が味のバランスを調え、ほんの数滴垂らした隠し味が旨味を爆発させる。

 この味は東京にも大阪にも福岡にもない。その他のメニューも肉はすべてサカエヤ。早晩席は取れなくなる。

 恐らくたった6席の争奪戦に参加するならいまのうちである。

 ■松浦達也(まつうら・たつや) 編集者/ライター。レシピから外食まで肉事情に詳しく、専門誌での執筆やテレビなどで活躍。「東京最高のレストラン」(ぴあ刊)審査員。

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