小林陵侑、理想の形に手応え 北京五輪開幕まで3カ月

産経ニュース
スキージャンプUHB杯、男子ラージヒル。2本目を飛ぶ小林陵侑=10月30日、札幌市大倉山ジャンプ競技場(彦野公太朗撮影)
スキージャンプUHB杯、男子ラージヒル。2本目を飛ぶ小林陵侑=10月30日、札幌市大倉山ジャンプ競技場(彦野公太朗撮影)

来年2月の北京冬季五輪開幕まで、4日で3カ月。2018~19年シーズンに日本選手初のワールドカップ(W杯)個人総合王者となったノルディックスキー男子ジャンプのエース、小林陵侑(土屋ホーム)には、メダル獲得の期待が日増しに高まっている。世界のトップに立った後に訪れた苦境を乗り越え、新たに理想とするジャンプに近づきつつある24歳。2度目の五輪へと向かっていく今の思いを聞いた。(小川寛太)

本格的な冬シーズンを前に、小林陵は順調な調整ぶりを見せた。欧州から帰国後の自主隔離期間が明けたばかりで、背中の張りがある中で挑んだ先月の国内試合は3戦全勝。10月30日のUHB杯では、サマージャンプのジャンプ台記録に並ぶ143・5メートルを飛んだ。「ジャンプの調子はいい方向に向かっている。冬に向けていいステップが踏めていると思う」。手応えを感じている。

その名を世界に知らしめたのは、平昌五輪の翌シーズンだった18~19年シーズン。それまでW杯で未勝利だった22歳が一気に13勝と勝ちまくり、日本選手として初のW杯個人総合王者になった。

世界のトップジャンパーに名を連ねて以来、周囲の見る目や求めるものの変化を痛感してきた。「特に国内試合とかだと、勝って当たり前ではないけど…。今回(先月の国内3戦)も調子が良くて自分でも勝ちたい気持ちがあったが、ちょっと体調を崩していたので緊張した」と胸の内を明かす。

苦汁をなめた時期もあった。世界の頂点を極めた翌19~20年シーズンから、「2シーズンはうまくかみ合わなくて、なかなか難しかった」。所属先のコーチ交代などもあって、自身が理想形としてイメージするジャンプを体現できる体の状態を作れず、もがいた。「(イメージを)実現できない、現実味がない、それができる体の作りをしていない感じだった」。

昨季(20~21年シーズン)も、W杯序盤は2桁順位が続くなど苦しんだ。それでも新型コロナウイルスの影響で帰国できない中、欧州を転戦しながら助走姿勢を微調整するなどし、今年2月以降の後半戦で3勝と復調の手応えを得た。

ことしの夏も「欧州でいろんなジャンプ台を飛べて、常に新鮮な気持ちでトレーニングができた」という。国際大会のグランプリ(GP)では、終盤の2試合に出場し優勝と2位の好成績。「回復まで時間はかかったけど、やっとイメージもよくなってきた。(王者になった時とは)イメージが違うし、体も違う。進化したかどうかといわれると結構難しいけど、総合的にはいいんじゃないか」。

初出場だった前回平昌五輪は、「右も左もわからない中で臨んで、あっという間に終わった」。個人ノーマルヒルで日本勢最高の7位に入るなど、飛躍の礎を築いた新進気鋭の若手という立場だった。今回は押しも押されもせぬ日本のエースであり、メダル候補として来年2月の本番に臨む。所属先の監督でもある葛西紀明は「今のジャンプなら(個人ノーマルヒル、個人ラージヒル、男子団体の)3冠がいけるのではないか。(混合団体を含めて)取れるメダルは全部取ってもらいたい」と期待を口にする。

今後は、今月中旬にロシアで開幕するW杯から冬シーズンが本格スタート。まずは目の前の試合に集中していく考えだ。「今季は五輪が一番大きな大会。そこで金メダルを目指しながら、W杯も通常通りあるので、シーズンを通して戦えるように頑張りたい」。栄光も挫折も味わった24歳が、北京の地で大輪の花を咲かせる。

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