ラグビーコラム

オールブラックス戦に〝迷惑系〟侵入者 時代はもう「おおらか」ではなくなった

サンスポ

【ノーサイドの精神】10月30日、英国・カーディフのプリンシパル・スタジアムで行われたウェールズ-ニュージーランド。試合前の国歌演奏時に、ニュージーランドに〝24番目の選手〟も整列していた。

この男はJarvo69と呼ばれるユーチューバー。約7分の動画を見ると、スタンドでコートを脱いだJarvo69が身に着けていたのは、シルバーファーンのエンブレムがついたニュージーランドのジャージーで背番号も「Jarvo69」。パンツもオールブラックス仕様の黒パンツだったが、ストッキングは仕様が異なり黒一色だった。ブラインドFLが務められそうななかなかの体格で、悠々とフェンスを乗り越えるとピッチに侵入。誰にもとがめられずに、整列するオールブラックスの選手たちの横に、しれっと加わった。

さすがに気付いた係員が排除に動き出したときは、ニュージーランド国歌がかかり始めていた。係員2人に両腕を抱えられてスタンドに連れ戻されるまで1分20秒。試合はつつがなく行われたが、動画には「オールブラックスデビューしてやったぜい!!」というタイトルもついていた。

スポーツイベントへの闖入(ちんにゅう)者はこれまでも数多い。ラグビーではストリーキング(裸で街中などを疾走する行為)全盛の1980年代なかば、聖地トゥイッケナムでのイングランドのテストマッチに男性ストリーカーが現れ、写真が世界中に配信された。サンケイスポーツがその1枚を掲載。「とんだ〝オープン攻撃〟」という秀逸な見出しがつけられたこともあり、筆者には強烈な印象として残っている。

国内でも早明戦が国立競技場で開催されていたころ、早大や明大の学生がキックオフ前にスタンドから飛び降りて芝生の上を駆け回り、係員と鬼ごっことなるのが風物詩のようになった時代もあった。6万人の視線が注がれる気持ちはいかばかりだったろう。ただ、その後は試合の間ずっと、別室で正座させられていたという〝都市伝説〟もある(たぶんデマだろう)。

くだんのJarvo69は、クリケットのビッグマッチでも不法に侵入し、訴追もされている迷惑系ユーチューバーのようで、動画のコメント欄には非難する声も多数載っている。いずれにせよ、こういった侵入者をおおらかに許す時代はもう、終わったようだ。

田中浩(たなか・ひろし)

 1983年入社。ラグビーブーム全盛期に担当を約10年、その後デジタルメディア、ボクシング担当、アマ野球担当などを経て2008年から運動部一般スポーツ担当デスクを務め、14年秋に二十数年ぶりにラグビー取材の現場に復帰。秩父宮ラグビー場でトライ(高校都大会決勝)と東京ドームでヒット(スポーツ紙対抗野球)の両方を経験したのがプチ自慢の60歳。

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