進まぬ在外投票 岐路 衆院選投票率わずか20% 公館遠く泊りがけ、郵送費1万円

産経ニュース
在外投票の方法
在外投票の方法

10月31日に投開票された衆院選では、海外に住む日本人が投票できる「在外投票」の小選挙区での投票率が20・09%にとどまった。複雑なルールや手間もあり、多くの人が在外選挙人名簿に登録していないことから、事実上の投票率は数%程度との見方もある。グローバル化が進む今、海外の有権者にも投票機会を確保するための改革は必須だ。

《投票期間が短すぎる》《EMS(国際スピード郵便)でも投票日に間に合わない》。衆院選の公示後、ツイッターには在外投票への不満が渦巻いた。

在外投票には、登録している国内の自治体の選挙管理委員会に投票用紙を郵送したり、現地の在外公館に出向いたりする方法があるが、手間や負担を指摘する声は多い。

まず、在外選挙人名簿への登録に時間がかかる。登録申請から、投票に必要な在外選挙人証を受け取るまで2カ月ほど要するため、「選挙が話題になってから登録が間に合わないことに気付いた」(中国に駐在経験のある40代男性)。このため18歳以上の在外邦人約100万人(推計)のうち、登録者は約1割の約9万6千人(10月31日現在)にとどまっている。

郵便投票の場合は、登録先の日本国内の選管に郵送で投票用紙を請求。届いた用紙を再度送り直すため、投票には「1往復半」の日数がかる。だが新型コロナウイルス禍の今回、国際郵便は遅れ気味だった。

そもそも、日本国内でもトラブルがあった。総務省によると、海外邦人に郵送する投票用紙の発送日は「衆議院議員の任期満了60日前か、解散のいずれか早い日」だが、東京都港区の選管が発送したのは10月以降。担当者は、選挙日程の決定後に発送する予定だったとし、「公示翌日より早く返送されると無効票になるおそれがあった」する。

「今回は困っている人たちが多かった。投票を諦めた人も相当数いるだろう」と話すのは、米ニュージャージー州在住の竹永浩之さん(55)。1993年に在外邦人の投票権を求めて米国で署名活動を始め、世界各地の邦人と「海外有権者ネットワーク」を結成。98(平成10)年の公職選挙法改正で可能となった在外投票の制度導入のきっかけを作った一人だ。

今回で15回目となる在外投票だが、竹永さんは「自治体の認識不足もあり、有権者にも十分周知されていないのは残念」と話す。今回は米国時間の10月22日、往復4時間がかりでニューヨークの総領事館で投票した。周りには、在外公館が遠いため泊まりがけで投票に行く人や、EMSで計1万円ほどかけて郵便投票する人もいたという。

今回はコロナ禍に伴う航空便制限や政変で、在外投票が実施できなかった国や地域もある。一部からはインターネット投票の導入を求める声もあり、竹永さんも「ぜひ導入を進めてほしい」と切望した。(石川有紀)

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