今から始めよう!70代まで働く健康術

太りやすい体質は遺伝だけではない! 歯周病菌が筋肉の脂肪化を促進

zakzak
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯周病学分野の片桐さやか准教授
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯周病学分野の片桐さやか准教授

11月8日は、日本歯科医師会が設定している「いい歯の日」。年齢を重ねるにつれ、「左右両方の奥歯でしっかりかみしめられない」という人が増え、60代で4割を超える(厚労省2019年「国民健康・栄養調査」)。口の中の不健康は、近年、生活習慣病などの全身の病気とも関わりが深いことがわかってきた。そのひとつとして、新たに歯周病菌によって筋肉の脂肪化が促進されるとの研究報告があった。

「口で増殖した歯周病菌やその毒素が、腸に到達して腸内細菌叢(そう=多種多様な細菌の集まり)を変化させ、骨格筋の代謝機能の低下を引き起こし、骨格筋の脂肪化を促進することが示唆されました」

こう話すのは、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯周病学分野の片桐さやか准教授=顔写真。昨年11月、「歯周病原細菌の感染が骨格筋の代謝異常を引き起こす」という論文を国際科学誌で発表した。

「メタボリックシンドローム症候群の患者さんは、骨格筋脂肪化マーカーと歯周病原細菌のポルフィロモナス・ジンジバリスの血清抗体価が有意に相関していました。その仕組みをマウスの研究で確かめたのです」

骨格筋は体を支えるだけでなく、ブドウ糖を取り込んでエネルギーに変えるなど、「糖代謝」でも重要な役割を担う。骨格筋の働きが低下すると糖代謝が悪くなり、食後の血糖値が上がるなど耐糖能異常の後押しをするのだ(別項参照)。

「骨格筋脂肪化マーカーは、患者さんの骨格筋を写したCT画像を解析して算出しました。このマーカーが高いと骨格筋の脂肪化が進んでいることになります」

メタボリックシンドロームの人は、骨格筋脂肪化マーカーが上昇し、同時に、歯周病菌のジンジバリスに対する血清抗体価が上がっていたという。ジンジバリスは人間にとって異物(細菌)ゆえに、排除するために抗体が生じる。その価が高いということは、ジンジバリスが体内にたくさんいることを示す。

「高脂肪食を食べさせたマウスに、ジンジバリスやその毒素を飲ませると、飲ませていないマウスと比べて、骨格筋の脂肪化が有意に促進されました。それに関わっていたのが、腸内細菌の変化だったのです」

同じような食生活なのに、一方は太って生活習慣病になり、もう一方は、そうではないという場合がある。太りやすさや生活習慣病には遺伝的な要因もあるが、もうひとつ、歯周病が関わる可能性が示されたのだ。

「歯周病は、腸内細菌叢を変えてメタボリック症候群を後押しします。しかし、歯周病は進行しなければ無症状です。正しい歯磨きや定期的な歯科でのチェックで、歯周病を放置しないようにしましょう」と片桐准教授はアドバイスする。

(安達純子)

■「骨格筋の脂肪化」による悪影響とは

□食後の骨格筋のブドウ糖の取り込みが減る

□血糖値をコントロールするインスリンの効きが悪くなる(インスリン抵抗性)

□食後の血糖値が上がりやすくなる(耐糖能異常)

□骨格筋の脂肪化で筋肉量が減り身体活動量が落ち(サルコペニア)、脂肪が蓄積しやすくなる

□生活習慣病やメタボリック症候群が促進される

  1. 【安保法案特別委採決】辻元氏、涙声で「お願いだからやめて!」と絶叫 民主、プラカード掲げ抵抗

  2. 市から突然1300万円請求…なぜ? 年金生活の80代女性に 専門家「今後数年で同様の高額請求を受ける人は増える」

  3. 小泉進次郎氏「妻に申し訳ない」 クリステルさん名義の巨額資産公開で

  4. 無免許当て逃げの木下都議、シャネルに「胸元ガバガバ」赤ワンピで登場の強メンタル

  5. 巨人・小林“謎の昇格”にナイン「いよいよトレードだ」と惜別 捕手を4人体制とした原監督の真意は