【ヒューストン(米テキサス州)2日(日本時間3日)=山田結軌】米大リーグはワールドシリーズ(WS=7回戦制)第6戦が行われ、ブレーブス(ナ・リーグ)がアストロズ(ア・リーグ)に7-0で勝利。4勝2敗で1995年以来、26年ぶり4度目の制覇を成し遂げた。最優秀選手賞(MVP)には、WSで3本塁打を放ったブ軍のホルヘ・ソレア外野手(29)が選ばれた。
■積極補強で巻き返し 頂点に導く特大の放物線を描いた。三回2死一、二塁。ソレアの先制3ランは飛距離446フィート(136メートル)。開閉式の屋根がオープンしていたミニッツメイド・パークの左翼場外に消えた。
「打った瞬間、とてもいい感覚だった。600フィート(約183メートル)だったかもしれないね」
今シリーズ3発目のアーチでMVPを獲得した長距離砲は冗談めかして喜びを表現した。今季はロイヤルズの一員として開幕を迎え、7月末のトレード期限直前にブ軍へ。「チームのエナジーは最高だった」。2019年は48発でア・リーグ本塁王。カブス在籍時の16年にもWS制覇を達成していた。
抜群の強さを誇ったチームではなかった。レギュラーシーズンの勝率・547はポストシーズン(PS)に進出した8球団でワースト。前半戦は44勝45敗で地区3位だったが、ソレアら外野手4人を獲得するなど積極的な補強で後半戦(44勝28敗)の巻き返しにつなげた。途中加入組のロサリオがリーグ優勝決定シリーズMVPに輝くなど、勢いはPSでも衰えなかった。
■投手王国から猛打のチームに WSの常連だった1990年代は投手王国。いずれも米国野球殿堂入りしたマダックス、グラビン、スモルツの先発3本柱を軸に黄金時代を築いた当時から一変、今季はメジャー3位の239発の打棒で勝ち上がった。
頂上決戦では6試合で計11本塁打。「いつもテレビで見ながら、この場を経験したいと思っていた。夢のような気分だ」とスニトカー監督。15年から3年連続で90敗以上を喫した低迷期を乗り越え、26年ぶりの栄冠を勝ち取った。