<独自>アカウミガメ産卵激減 深まる謎

産経ニュース
産卵するアカウミガメ=今年6月、和歌山県みなべ町(日本ウミガメ協議会提供)
産卵するアカウミガメ=今年6月、和歌山県みなべ町(日本ウミガメ協議会提供)

環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されているアカウミガメの産卵回数が今年、各地で激減している。本州有数の産卵地である和歌山県みなべ町の千里の浜や静岡県御前崎市では、過去約40年間で2番目に少なかった。宮崎市やその周辺でも例年にない少なさという。「異変」に関係者は原因不明と首をかしげるが、各地で調査を続ける団体からは「アカウミガメの個体数が激減した可能性もある」と懸念する声も上がっている。

産卵回数10分の1、31回に

本州有数のアカウミガメ産卵地の千里の浜=和歌山県みなべ町
本州有数のアカウミガメ産卵地の千里の浜=和歌山県みなべ町

和歌山県中部に位置するみなべ町の千里の浜。長さ約1・3キロにわたる小さな浜に、毎年5~8月の夜から翌未明にかけてアカウミガメの雌が上陸し、多い年では200~300回程度、卵を産んできた。1回あたりの産卵数は100個程度で、単純計算すると、1シーズンで数万個の卵を産んでいたことになる。産卵密度は本州最大級で、町はウミガメの捕獲や卵の採取を禁じる条例を制定するなどして保護に取り組んできた。

だが、今年の産卵回数は31回。昭和56年から続く41年にわたる調査では、平成10年の29回に次いで少なかった。産卵回数は30年から40~60回台と減少していたが、さらに落ち込んだ。

10年以上、アカウミガメを観察してきた町教育委員会教育学習課副課長の前田一樹さん(50)は「全国に知られた産卵地で、未来に引き継いでいかないといけない。原因はわからず心配だが、見守っていくしかない」と話す。

各地で「極めて少ない」

アカウミガメは甲羅の長さ70~100センチで、世界の広い海域に分布するが、北太平洋地域では日本が唯一の産卵地となっている。千里の浜など日本各地のウミガメを調査しているのが、大阪府枚方市のNPO法人「日本ウミガメ協議会」だ。むろと廃校水族館(高知県)の副館長も務める協議会の松宮賢佑(けんすけ)事務局長は、今年のアカウミガメの産卵回数について「各地で極めて少ないと聞いている」と打ち明ける。

静岡県御前崎市では、市内にアカウミガメが上陸するポイントが複数箇所あるが、その産卵回数は、一昨年の25回に次いで過去2番目に少ない26回だった。市教委によると、みなべ町と同じく昭和56年から産卵回数の記録があるが、ここ数年急激に減少したという。

また宮崎市と周辺を調査しているNPO法人「宮崎野生動物研究会」によると、今年の産卵回数は集計中だが、400回台と推定。調査地点がほぼ現在と同じになった平成20年以降で最少だった一昨年の449回に近くなりそうだ。

  1. 【安保法案特別委採決】辻元氏、涙声で「お願いだからやめて!」と絶叫 民主、プラカード掲げ抵抗

  2. 市から突然1300万円請求…なぜ? 年金生活の80代女性に 専門家「今後数年で同様の高額請求を受ける人は増える」

  3. 【ニュースの核心】「ワクチン入手困難」の韓国・文大統領が“命乞い” あす米韓首脳会談、見抜かれている“二股外交”のツケ…「踏み絵」迫る可能性

  4. 板野友美インスタ更新「何にも変えられない心の支え」 ヤクルト・高橋奎二と結婚

  5. 名将・野村克也が見抜いていた「高津にあって矢野にないもの」