一瞬でも英雄に…「義人」目指す韓国の人々 「ウソ」の口止めに悪銭を「分配」、悪が渦巻く相互不信社会

 韓国語で言う「義人(ウィイン)」とは、「身の危険を顧みず、他人を助けた人」という意味だ。韓国では、大きな事故があると、しばしば「義人」が報道される。が、しばらくすると「ウソでした」となるケースが少なくない。

 朝鮮日報(2021年10月8日)に載った「ウソ義人に懲役2年」のニュースは、韓国事情解明の1つの手がかりになるかもしれない。

 同紙によると、被告はロシア旅行中、宿泊施設(=民泊らしい)の火事に遭い2階から飛び降りて、全治6カ月のけがをした。旅行保険に入っていなかったため、治療費に困った。

 そこで、同宿していた韓国人たちに頼み込んで、「他の宿泊者を救う義人行動のために負傷した」との陳述書類を作成した。

 それを地元市役所に提出し、「義傷者5級」に認定されて、総額約1億2000万ウォン(約1120万円)の褒賞金を受け取った

 さらに、市役所から「善行市民表彰」を受け、ある大手企業の「今年の市民英雄」に選ばれて賞金をもらった。ウソの救助体験をつづった本を書き、講演もして…。

 そこで、チクリに遭ったのだ。

 捜査の結果、被告は泥酔して寝ていて逃げ遅れたことが分かった。泥酔した被告をたたき起こした人物が、陳述書類では被告に「助けられた人」になっていた。

 それで地裁は「義死傷者等の礼遇および支援に関する法律」違反などを認定したのだ。

 韓国語サイトに載ったコメントが何とも香(かぐわ)しい。最多の共感数を集めたコメントは、こういう内容だった。

 「口裏を合わせてくれた人たちに、金をもらったときに分けなければ…。独り占めして知らんぷりをしたからチクリされたのさ」

 反論のコメントもあった。

 「一度分け与えたら、一生脅迫されるかもしれない」

 悪が渦巻く、重度の相互不信社会を垣間見た思いがしてくる。

 振り返れば14年のセウォル号沈没事故でも、「責任者先逃」の伝統に従った船長や、傍観者を決め込んだ海洋警察(=日本の海上保安庁に該当)とは違う義人が出現した。いち早く甲板に逃れた運送業者だ。45度も傾いた甲板に留まり、消防用ホースを使って、高校生20人を浸水している客室から引き上げて救った。

 ということになっていた(=韓国マスコミは、そういう人物の存在を望んだのだろう)が、「彼は動画を撮っていただけ」との指摘が出てからは、2回も自殺を図った。

 やはり14年のこと、野外広場でのコンサートを見ようと、地下駐車場の換気口の外蓋(そとぶた)に乗っていた20数人が外蓋の崩落とともに地下二十数メートルの床に身体を打ちつけられた。

 この時も、自らのケガを顧みず、他の重傷者の救護に当たり、救急車のベッドにも横たわらず、補助席に座って病院に行った義人がいた。

 聯合ニュースは、彼の活躍を、彼が語ったとおりに大報道した。

 ところが、この義人は骨折どころか打撲箇所もないことが病院で判明した。本人はいつの間にか姿を消し、聯合は記事全文を取り消した。

 隣国には、一瞬でも「義人」になりたい人がたくさんいるのだ。

 ■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に『悪韓論』(新潮新書)、『反日種族の常識』(飛鳥新社)、『呆韓論』(産経新聞出版)、『韓国のデマ戦法』(同)など多数。

zakzak

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