ドラフト10位からの本塁打王 オリックス杉本「一片の悔いなし」

産経ニュース
パ・リーグの本塁打王に輝き、32本を指で表すオリックスの杉本
パ・リーグの本塁打王に輝き、32本を指で表すオリックスの杉本

オリックスの25年ぶりのリーグ優勝に4番として貢献した杉本が32本塁打で自身初となる本塁打王のタイトルに輝いた。身長190センチ、体重104キロの背番号99は「まさか取れるとは思っていなかったのでびっくり。打って(グラウンドを)回っている瞬間がすごく好きで、それがあるからここまで野球を続けられている」と笑顔で話す。

社会人のJR西日本から2015年秋のドラフト会議で10位で指名された。支配下選手の指名選手計88人の中で名前を呼ばれたのは87番目だった。昨季までの通算本塁打は9本にすぎなかった30歳が今季は一気に開花。過去の本塁打王の指名順位で見れば、1979年など3回タイトルを獲得した阪神の掛布や、2005年の広島の新井貴(いずれも6位入団)を抜いて、最も下位から栄冠に輝いた。

杉本は「社会人からの10位は即戦力として期待されていたと思うが、それを裏切ってきた」と話す。同じ年のオリックスのドラフト1位は青学大で2年後輩だった吉田正。自分よりも先に主軸へと成長した後輩を横目に「正尚(吉田)だけが活躍して、自分は2軍。一緒に活躍したいと思っていた」と振り返った。

開花のきっかけはスーパースターの言葉だった。これまでも長打力は誰もが認めるところだったが、確実性が課題で1軍と2軍を行ったり来たりの日々。数年前、チームの大先輩でもあるイチローさんと自主練習をともにしたときに「本塁打狙いの打撃ばかりでは良くない」とアドバイスを受け、その言葉を念頭に腕を磨いた。「まずはミートするとか、軽打するとか。そういうことをしているうちにいろんな打撃ができるようになった」と自らの成長に実感を込める。打率も3割1厘。一流打者の証しでもある「3割・30本」はパ・リーグでは唯一。セ・リーグでも10月31日現在、広島の鈴木誠がいるだけだ。

これまでの長いシーズンで、優勝へのターニングポイントとして9月26日の楽天戦(京セラ)の試合前を挙げる。「大腿骨頭壊死」という難病のため現役引退を発表した西浦がベンチ前の円陣で「僕のために優勝してください」と声出ししたのだ。「西浦らしい言い方。チーム全員で優勝しなくちゃと思った」。22歳にして病が原因でユニホームを脱ぐ同僚へいい報告をするため、チームはさらに結束を強めた。

人気漫画「北斗の拳」に登場する「ラオウ」の愛称で親しまれている。本塁打を放った後のベンチ前で、ラオウが死ぬときのポーズをまねた右の拳を突き上げるパフォーマンスはおなじみになっている。優勝会見では「北斗の拳」のセリフにかけて「わが1年間に一片の悔いなし」と語った。クライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズでも「ラオウポーズ」を何度でも披露したいと意気込んでいる。(鮫島敬三)

  1. MEGA地震予測「いま最も危ない」3ゾーンはここだ! 村井氏「震度6程度が1~2月に発生する可能性」

  2. 広島・長野、約8000万円の超高級車で球場入り「最高です」

  3. 愛子さまご成年 3種類のドレスご着用、「ティアラ」で正装も

  4. コロナ禍で分かった会社の「無くてよかったもの」 「社内イベント」や「定時勤務」を抑え1位になったのは?

  5. 【奈良小1女児殺害・父親講演詳報㊦】もし叶うなら「ぎゅっと抱きしめたい」今もそばに