ベテラン記者コラム(212)

明大に敗れた筑波大で分かった「いい準備」をする難しさ

サンスポ
10月24日に行われた明大対筑波大。後半、この試合で自身2度目のトライを決める明大・松本純弥
10月24日に行われた明大対筑波大。後半、この試合で自身2度目のトライを決める明大・松本純弥

アスリートはよく、「いい準備」という言葉を使う。ラグビー選手は特に多い。勝った試合の後のインタビューで、指導者や選手が「今週はいい準備ができた」と話すのは、もはや約束事のようだ。

「いい準備」を定義すると、前の試合で出た課題を修正し、次の試合の相手の特徴を踏まえて対応策を練り、チームに落とし込むこと、といえる。時間があればあるほどいい準備ができるかといえば、そうでもなさそうだ。

10月24日に明大に14-53で敗れた筑波大。早大に14-21で惜敗した9日から、2週間の間隔があった。その間、明大の強みであるスクラムに焦点を当てたという。「自分たちの強みのディフェンスができるという前提で、スクラムが勝負になると考えた」と嶋崎達也監督はいう。本来PRの小山駿哉をLOで先発させる対策を講じた。

しかし、その「前提」が崩れた。頼みのディフェンスは明大にかわされ、突破され、前半6分から5連続トライを許して後半なかばには勝負がついてしまった。

小山をLOに起用したことで、ラインアウトのオプションが減り、明大の圧力を浴びてラインアウト成功率が低下したのも痛かった。「チームとしてバランスが崩れてしまった」と嶋崎監督は唇をかんだ。もしかしたら、スクラムなどに目をくれず、ディフェンスをもっと先鋭化させる方向に進んでいたら、結果は変わっていたかもしれない。結果論ではあるが。

あるリーグワンのチーム関係者はこの結果を聞いて、「相手を想定しすぎることは、相手の土俵に乗ることにもつながる」と警句を述べた。別の関係者は「ショートウイーク(日曜に試合があった次の試合が土曜にあるなど、通常より間隔が短くなる週)の方がいい結果が出ることは、ままある」という。まず、しっかりリカバリー(実は練習することよりこれが大事)。残り時間は限られるため、練習は自分たちのやるべきことに絞る。相手のことはあまり考えずに過ごすことが、試合でも「自分たち」にフォーカスできて、結果につながるのかもしれない。

11月に入り、大学ラグビーは優勝争いが本格化する。日本代表は6日のアイルランド代表戦から勝負のテストマッチ3連戦が待つ。試合が終わった後、「いい準備ができた」と晴れやかな顔で言えるように、それぞれのチームには知恵と体力を絞って、文字通りの「いい準備」をしてもらいたい。(田中浩)

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