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衆院選で政治は日本衰退を止めよ 四半世紀という超長期間のデフレに染まった日本経済は民間任せでは蘇生できない

 31日は衆院選挙投開票。日本経済は衰退の極みにある。政治の覚醒待ったなしだ。

 グラフは円の対ドル相場と、消費者物価を勘案した円の実質実効相場および日米の名目国内総生産(GDP)について、1995年を100として指数化している。

 95年は平成バブル崩壊不況から立ち直りかけていたのに、その1、2年後に慢性デフレ局面に陥った境目になる年である。90年代半ば以降から現在に至る四半世紀もの間、いかに日本経済の空白が続いてきたかをグラフは物語る。

 円の実質実効相場とは、米欧など主要国に比べた円の購買力のことで、数値が高ければ強く、低いと弱いことになる。通常は円高になれば日本の購買力は改善し、円安局面では悪化するのだが、円高、円安のいずれに為替相場が動いても、実質実効相場は長期低落傾向をたどっている。消費者物価総合指数は1995年末から2021年9月までの間、日本が4・6%上昇したのに対し、米国は78%上昇した。

 実際に、国際的にみて日本の物価は安い。よく引き合いに出されるマクドナルドのハンバーガー「ビッグマック」の価格はこの7月時点で米国が621円に対し日本は390円である。東京の高級ホテルの代金はニューヨークの三流ホテルよりも安くなっている。平均的日本人にとってみればニューヨークはレストランも宿泊代もバカ高い。

 物価が安くても、所得水準が低ければ何の意味もない。25年余り前に比べ、名目GDPは米国が2・9倍に膨れ上がったのに対し、日本は4・3%増にとどまる。しかも円の対ドル相場は1ドル=102円から111・9円と8・8%の円安だ。

 日本は物価もGDPもほぼ横ばいなのに、米国は物価上昇率の2倍以上の速度でGDPが増えている。しかも、石油など国際商品の価格や輸入品の大半がドル建てである。現在のようにマイナス成長下の円安が進めば、円の所得を得るわれわれの対外購買力がますます大きく乏しくなる。

 挽回策はあるのか。一口で言えば所得を増やすことだ。名目GDPは物価上昇率と生産量を掛け合わせたものだから、適度な物価上昇のもとで国内での消費や投資の規模を拡大し賃金を上げればよい。が、言うは易し。

 本来なら、米国などに比べた日本の物価や人件費の圧倒的な安さは、日本製品の国際競争力を有利にし、企業の国内回帰や輸出を促進するはずである。現実にはそれらの要因が日本再生につながるとは言い切れない。多国籍化した日本企業はデフレで萎縮しっ放しの国内市場よりも、円安でかさ上げされる収益を現地に再投資することを選ぶ。四半世紀という超長期間のデフレに染まった日本経済を民間まかせで蘇生(そせい)させるのは無理スジというものだ。

 政府の財政が鍵を握る。日本には世界最大の余剰資金がある。政府が国債を発行して資金を成長分野に振り向け、民間投資を誘う。カネの裏付けのある有効需要を作り出すのは政府の役割だ。財務官僚の財政均衡至上主義は日本自滅の道なのだ。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

zakzak

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