中国と野党共闘に岸田首相、ついに“同時反撃” 識者「衆院選の対立軸が『外交・安全保障』しかないことに、やっと気付いた」

 岸田文雄首相(自民党総裁)が、ついに中国と左派野党に“同時反撃”に出た。東京・JR赤羽駅前での応援演説や、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合で、軍事的覇権拡大を進め、ウイグルなどでの人権弾圧が指摘される中国などに対峙(たいじ)する姿勢を明確にした。加えて、「共産党を含む政権ができたならば、どんな外交・安全保障になってしまうのか」と応援演説で語り、共産党との「限定的な閣外からの協力」で合意した枝野幸男代表率いる立憲民主党を批判した。

 北朝鮮は衆院選公示日(19日)、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を発射した。中国とロシアの海軍艦艇10隻は17~23日、日本列島をほぼ一周する軍事的威圧をしてきた。

 岸田首相は27日午前、赤羽駅前での演説で、中露朝の動きを「不透明な状況」と指摘したうえで、「皆さんの命、日本の平和や生活を守るため、しっかりとした外交・安全保障を進めなければならない」と語った。

 さらに、これまで立憲民主党と共産党の連携を露骨に批判してこなかったが、党綱領に「日米安保廃棄」「自衛隊解消」を掲げる共産党を含む「政権」に触れたうえで、「どの政党がどの候補者がしっかりとした外交・安全保障を進めることができるのか、しっかり見ていただかないといけない」と訴えた。会場では歓声と拍手が起こった。

 選挙中だが、「岸田外交」も本格化させた。

 岸田首相は同日、東アジアサミット(EAS)などASEAN関連会合にテレビ会議方式で出席した。

 ASEAN各国首脳との会議では、東・南シナ海での中国の強引な行動を念頭に、「法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序への挑戦に強く反対する」「ASEANと連携し、『自由で開かれたインド太平洋』の実現に向けた取り組みを力強く推進する」と述べた。

 ASEANと日中韓3カ国の会議では、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮をめぐり、国連安全保障理事会の制裁決議の完全履行が不可欠と主張。日本人拉致問題の解決への理解と協力を求めた。

 岸田首相の反転攻勢をどうみるか。

 評論家で軍事ジャーナリストの潮匡人氏は「コロナ対策や経済政策では各党公約が類似するため、対立軸は『外交・安全保障』しかないことに、やっと気付いた。対立軸を示さなければ自民党の自損行為になる。発言は評価できるが、今後は台湾訪問や中国による人権弾圧の追及など具体的な行動に移せるかを注視すべきだ」と語った。

zakzak

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