失速の虎㊦

優勝のオリックスとの差は「絶対的エース」の存在

産経ニュース
10月13日の巨人戦で自らマウンドを降り、ベンチへ向かう西勇。持ち味の安定感を欠いたシーズンだった=東京ドーム(水島啓輔撮影)
10月13日の巨人戦で自らマウンドを降り、ベンチへ向かう西勇。持ち味の安定感を欠いたシーズンだった=東京ドーム(水島啓輔撮影)

プロ野球阪神は矢野監督が指揮を執って3年目のシーズンを2位で終えた。序盤から首位を走りながら後半戦に失速した原因と課題を、2回に分けて探る。

【失速の虎㊤】打線の課題は…


優勝を目指して戦っていた阪神にとって衝撃的というしかない出来事が、10月13日の巨人戦(東京ドーム)であった。1-1の二回、先発の西勇が松原の二ゴロの間に2点目を失うと、自らマウンドを降りたのだ。コーチや捕手が駆け寄るのも待たず、ベンチへ向かう様子がチーム内の行き違いを感じさせた。

試合後、矢野監督は西勇が右肘の違和感を訴えたことを明かし、「あんな形で降板になったんでね。大きな故障ではないと思っているんだけど、病院に行かないと分からない」と動揺を隠せなかった。西勇は翌日に出場選手登録を抹消され、そのままレギュラーシーズンを終えた。波に乗れなかった今季を象徴するような場面だった。

西勇はフリーエージェント(FA)で移籍加入した2019年から、安定して試合を作ってきた。その実績から今季も先発ローテーションの柱として期待されたが、6勝9敗、防御率3・76と精彩を欠き、チームが夏場以降に大型連勝ができない一因にもなった。

春季キャンプ中にぜんそくとみられる症状に悩まされ、2年連続で務めていた開幕投手の座を藤浪に譲った。通算100勝を目前に息切れし、6月下旬から自己ワーストの6連敗。9月10日の広島戦(マツダ)でようやく節目の白星を挙げたが、その4日後には寝違えによる首痛が原因で登録抹消となるなど、今季はコンディションの調整不備を露呈する形となった。

他の先発陣は13勝を挙げた青柳や2年連続2桁勝利の秋山のほか、新人の伊藤将も10勝を挙げる活躍を見せ、助っ人のガンケルも9勝をマーク。他球団に比べても陣容はそろっている。

救援陣も守護神のスアレスは12球団トップの42セーブを挙げた。岩崎らセットアッパーの安定感にやや欠けたが、1点差の勝利は12球団最多の25試合で、接戦を拾う試合運びができている。シーズン終盤は打線の得点力が低下していただけに、指揮官は「(10月は)ずるずるといってもおかしくないようなところもあったが、投手が頑張ってくれた」と振り返った。

ただ、今季最終戦となった10月26日の中日戦(甲子園)で先発の青柳を2回で交代させたように、ベンチが信頼して試合を任せられる絶対的エースは見当たらない。18勝を挙げてオリックスをパ・リーグ制覇に導いた山本のように、「この投手の登板試合は全部勝つ」とチームが一つになれる存在。そうしたエースこそが、2005年以来遠ざかる優勝を果たすには必要となる。 (上阪正人)

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