週末、山へ行こう

白い岩峰に映えるモミジ 昇仙峡(山梨県) 標高689メートル

勢いよく流れ落ちる仙娥滝
勢いよく流れ落ちる仙娥滝

 秋も深まり、紅葉ハイキングの季節がやってくる。紅葉の見頃は高い山から低山に移ってきていて、紅葉を特集した雑誌や、山歩きのガイドブックを見ながら、今年はどこを歩こうかと考えるのが楽しい。

 天気がよい日を選んで…、それこそ「明日天気がよさそうだ」と思ったら訪れたいのが、山梨・昇仙峡だ。甲府市の北部、荒川上流に位置する渓谷で、国の特別名勝に指定されている。川沿いに散策路が設けられており、美しい渓谷を眺めながら歩くことができる。

 寒暖の差が激しく、適度な水分がある渓谷沿いは、紅葉が美しくなる条件が揃った場所。昇仙峡も紅葉の名所としても知られており、見頃の時期には多くの観光客が訪れる。

 約6キロの渓谷道路は、昇仙峡口バス停からスタートする。最初は奇岩めぐり。オットセイ岩、松茸岩、ふぐ岩…など、言われてみればそう見えなくもない大岩を眺めながら、昔の人たちのユーモアを感じる。かつてはこの道路をトテ馬車が走っていて、私が初めて訪れた頃は、ハイカーが歩いている脇をのんびりとカラフルな馬車が走って(歩いて?)いたのが懐かしい。

 昇仙峡を代表する景観が覚円峰(かくえんぽう)。真っ白い花崗(かこう)岩の岩峰がそびえているのを、散策路から眺めることができる。この岩峰の頂上で、覚円というお坊様が修行をされたという言い伝えが名前の由来。見上げてみて、手すりもないあんな岩峰の頂上に立つなんて無理…と毎回ドキドキしてしまう。紅葉の時期には、白い岩峰の下をモミジの赤、常緑樹の緑が覆うように茂り、絶妙な色合いだ。日本庭園のように美しい景観が、人の手をかけず自然により造り出されていることに驚く。

 覚円峰を眺めたあとは、微妙なバランスで積み重なった石門をくぐり、さらに進むと、最後の名所が仙娥(せんが)滝。落差約30メートルの滝を、対岸の展望所から眺めることができる。岩の間を勢いよく滝が流れ、あたりに水しぶきが舞っている。陽光の加減で虹が出ることもあり、私が訪れたときは滝つぼ近くにきれいな虹がかかっていた。楽しく歩いてきて、最後にちょっとしたご褒美をいただいたような、幸せな気持ちで散策を終えたのだった。

*  *  * 

 ■散策にあたっては、来訪・入山自粛要請が出ていないか、散策路の状況、バスの運行などを最新のデータでご確認ください。散策中は、歩行時に他の歩行者との間隔をあけるなど新型コロナウイルス感染予防を心がけましょう。

 ■昇仙峡おすすめルート 昇仙峡口バス停…覚円峰…仙娥滝…昇仙峡ロープウエー 歩行時間 約2時間/難易度★(最高難易度★★★★★)

 ■コースガイド JR中央本線甲府駅からバスで昇仙峡口バス停へ。渓谷沿いの散策路は基本的に舗装道路で歩きやすい。前半は奇岩めぐりが楽しみ。覚円峰の鋭い岩峰を見上げ、仙娥滝を展望台から眺めたら、ゴールの昇仙峡ロープウエーバス停を目指す。

 ■おすすめシーズン 1年を通じて歩くことができる。新緑は5月、紅葉は10月下旬~11月半ば。時間が許せばロープウエーで山頂駅へ。富士山や南アルプスの絶景が楽しめる。昇仙峡ロープウエーは通年運行。

 ■西野淑子(にしの・としこ) オールラウンドに山を楽しむライター。日本山岳ガイド協会認定登山ガイド。著書に「東京近郊ゆる登山」(実業之日本社)、「山歩きスタートブック」(技術評論社)など。NHK文化センター「東京近郊ゆる登山講座」講師。

zakzak

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