【アトランタ(米ジョージア州)28日(日本時間29日)=山田結軌】米大リーグ選手会は選手間投票による今季の各賞を発表し、投打二刀流で大活躍したエンゼルスの大谷翔平投手(27)が日本選手では初めて年間最優秀選手「プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」に輝いた。さらに、ア・リーグ最優秀野手賞も受賞。こちらは、2004年のイチロー(マリナーズ)以来2人目。ダブル受賞で26日(同27日)に発表されたコミッショナー特別表彰も含めて、「3冠」となった。
■感謝と喜び「特別なこと」 最も〝リアルな評価〟に違いない。大谷が現役選手が選ぶ年間最優秀選手「プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」に日本選手として初選出された。
「他の賞でもうれしいけど、やっぱり現場の選手から、実際に戦っている選手からそういってもらえるのは、特別なこと。それは自分にとっても特別ですし、うれしいことです」
大谷は選手会の公式ツイッターに感謝と喜びのコメントを寄せた。今季は投手として9勝2敗、打者としては打率・257、リーグ3位の46本塁打、100打点、26盗塁。ベーブ・ルース以来の本格的な二刀流として、メジャーの超一流プレーヤーからは、賛辞が相次いだ。
「リトルリーグで全力でプレーする12歳がそのまま大人になった」と形容したのは、バスター・ポージー捕手(34)=ジャイアンツ=だ。オールスターに7度出場、2012年のナ・リーグMVPを獲得し、メジャーを代表するスターも投打のパフォーマンスを絶賛した。さらにサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)3度、通算190勝のマックス・シャーザー投手(37)=ドジャース=も「見事な1年。みていて楽しかった。投球と打撃でこんなことは、誰も見たことがない」とメッセージを送った。
■ア・リーグ最優秀野手も受賞 選手会の投票は日々しのぎを削るメジャーリーガーの〝総意〟ともいえる。両リーグから1人ずつを選ぶ記者投票でのシーズン最優秀選手(MVP)とは異なり、選手間投票では全球団で1人を選出する希少価値の高いタイトル。ア・リーグ最優秀野手にも選ばれた。
「(ライバルたちに)感謝していますし、本当に来年以降もそういう高いレベルで競い合えるようなシーズンを送ることができたら幸せだな、と思っています」と大谷。岩手出身の27歳が世界最高峰の舞台でスターの仲間入りを果たした。
◆大谷についてエンゼルス・トラウト 「8、9イニングを投げた翌日に本塁打を打つなんて、とにかくすごい。歴史的瞬間ばかりだ」
◆フィリーズ・ハーパー 「すごいとしかいいようがないね」
◆オリオールズ・マンシーニ 「打者だけでもMVP候補。投げればメジャーの中でも最強」
◆ブルージェイズ・セミエン 「すごい才能。パワーに加え、スピードもある」
◆ブルージェイズ・レイ 「彼は5ツールプレーヤーだ」
◆レッズ・インディア 「OUT OF THIS WORLD(この世のものとは思えない)」