主張

核のごみと町長選 エネ政策を深める起点に

産経ニュース

約2800人の人々が暮らす小さな漁業の町の選挙だが、国のエネルギー政策に少なからぬ影響を与える町民の選択結果が示された。

26日に行われた北海道寿都(すっつ)町の町長選挙で現職の片岡春雄氏が元町議の越前谷(えちぜんや)由樹氏を破り、再選を果たした。

町長選の争点は、原子力発電で生じる高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定の第1段階に当たる「文献調査」継続の是非だった。

昨年10月、国と原子力発電環境整備機構(NUMO)が全国の沿岸部の市町村に呼び掛けていた文献調査に片岡氏が応募して以来、寿都町内では、核のごみの受け入れ可能性をめぐり、賛否二分の状態が続いていた。

文献調査への応募には町民の意見把握の部分に甘さがあったが、片岡氏の当選で追認された。この結果、文献調査は予定通り続く。文献調査は次の概要調査に進むのに適した地質かどうかを判定する予備調査の段階だ。

寿都町の北に位置する神恵内(かもえない)村も文献調査を受け入れており、核のごみの後始末について全国民が考える好機となっている。

寿都町長選の結果を踏まえ、本州や四国、九州の市町村からも文献調査に名乗りを上げてもらいたいものである。より多くの地点で調査が進むことで、理解の深まりと最適地質条件を備えた地点の選定が可能になる。

核のごみは、国内で約半世紀にわたる原子力発電を続けてきた結果、既に大量にたまっている。再処理工場で円柱形のガラス固化体(直径40センチ、高さ130センチ)に加工し、地下300メートル以深の岩盤中に埋設する計画だが、総量は約2万6千体分に達している。

いつまでも処分地選定を先延ばしにして済ませられる問題でないことは明らかだ。

エネルギー資源に乏しい日本の場合、安定した脱炭素社会の実現には電力供給の基盤を支える原子力発電が欠かせない。その持続性のためにも地下最終処分場の建設が不可欠だ。

今回の寿都町長選は、選挙を通じて核のごみ問題に前向きの回答が示された国内初の例である。

鈴木直道北海道知事には寿都町、神恵内村の取り組みを静かに見守ってもらいたい。自治体の長に過度の負担をかけない国の工夫も望まれる。

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