主張

衆院選と社会保障 制度改革の全体像を語れ

産経ニュース

医療、介護保険、年金は今後どうなるのか。若い世代からは、不安の声が上がっている。

給付減や負担増など痛みを伴う改革から目を背けていては、将来不安を解消できない。少子高齢化や人口減は国難だ。勤労世代が減り、医療や介護の担い手不足も深刻化が予想される。社会保障に関する議論は待ったなしだ。

にもかかわらず、今回の衆院選で、こうした国民の声に応える論議が、与野党ともに低調なのは残念だ。政権選択を訴えながら、国民の生活を守る社会保障制度のあり方に正面から取り組む姿勢を見せないのなら無責任でもある。

新型コロナによる医療現場への影響が大きく、医療や介護サービスの将来像を描きにくくなったとしても、議論が深まらないことへの言い訳にはならない。社会保障費は国の予算の約3分の1を占める。各党とも、給付と負担のバランスを踏まえて、将来のあるべき姿を具体的に語るべきである。

最大の課題は財源の確保だ。自民党は「社会保障全般の総合的な改革をさらに進め、持続可能な全世代型社会保障を構築」するという。公明党は「人生100年時代を見据えた安心の社会保障」を掲げ、健康寿命の延伸などを図るというが、耳に心地よい話で済ませていないか。両党とも財源を含めて具体的に説明すべきである。

立憲民主党は社会保障の充実・安定化を掲げ「将来世代に過度な借金を押しつけない」とする。だが、消費税の社会保障分野への使途の限定を訴える一方で「税率5%への時限的な消費税減税」を唱えるのでは説得力に欠く。なぜ負担を減らして社会保障を充実できるのかを語るべきだ。

医療や介護の改革は近年、窓口負担など自己負担の引き上げに頼ってきた。だが、医療が高度化する中で際限なく自己負担を上げ続けられないことは明らかだ。

年金制度に関しては、立民、共産、国民民主などが年金の「最低保障機能」に言及している。日本維新の会は、「ベーシックインカムを基軸とした再分配の最適化・統合化」を挙げる。これらについても、旧民主党政権が提唱し、財源確保の道筋を示せず頓挫した最低保障年金とは何が違うのかを丁寧に示してほしい。

選挙戦は残り少ない。各党には具体的な社会保障改革の全体像を示すことを求めたい。

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