外為法違反(無許可輸出)罪などに問われ、その後起訴を取り消された機械製造会社「大川原化工機」(横浜市都筑区)の社長らが「警視庁と検察の違法捜査で損害を受けた」として、東京都と国に総額約5億6千万円の賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が27日、東京地裁(桃崎剛裁判長)であり、都と国はいずれも請求棄却を求めた。
法廷で大川原正明社長(72)は「強制捜査から3年弱の間、社員とその家族が悪人扱いされた。警察、検察は大いに反省し、二度とこのような事件を作ることのないよう願う」と意見陳述した。
訴状によると、大川原社長と島田順司元取締役(68)の2人は昨年3月と5月、生物兵器の製造に転用可能な装置を不正に輸出したとして逮捕された。東京地検が起訴したが、初公判4日前の今年7月になって「犯罪に当たるかどうか疑義が生じた」として2人の起訴を取り消した。