帰ってきた「ぶつかりおじさん」 やり返せない人が狙われる

ポストセブン
緊急事態宣言があけ、復活した通勤ラッシュとともに帰ってきた人たちがいる(イメージ、EPA=時事)
緊急事態宣言があけ、復活した通勤ラッシュとともに帰ってきた人たちがいる(イメージ、EPA=時事)

今から約3年前、新宿駅で次々と女性にだけぶつかり続ける男の動画がSNSで拡散され、ネットでは同様の体験を報告する声があつまった。その被害の多くは駅、それも混雑時に起きており、ぶつかる人の多くが中年男性だったことから「ぶつかりおじさん」と総称されるようにもなった。新型コロナウイルス感染拡大防止のために緊急事態宣言が発令され、通勤ラッシュが消えていたときには姿を減らしていた「ぶつかりおじさん」が、第5波が過ぎ通勤ラッシュの復活とともに戻ってきた。俳人で著作家の日野百草氏が、帰ってきた「ぶつかりおじさん」について、その被害や、おじさん側の言い分をレポートする。

「ぶつかりおじさんがまた増えてます。本当に怖いです」

10月に入り筆者に届いた女性からのメール、「ぶつかりおじさん」とは何ぞや思えば、主に駅で故意にぶつかってくる人のことらしい。調べてみれば「体当たりおじさん」「タックルおじさん」ということで本来はおじさんに限った話ではないのだろうが、どうやら主に男、とくにおじさんに限定されているらしい。また彼女曰く、ぶつかってくるのはたいていおじさんなので「ぶつかりおじさん」のようだ。身も蓋もないが社会的にはそうコンセンサスが形成されているのだろう。

「露骨に体当たりしてきます。普通にぶつかっちゃったとか、そういうのじゃないんです。された女性ならわかるはずです」

満員電車や駅の混雑が復活すると同時にまたぞろ増えだした彼ら、「帰ってきたぶつかりおじさん」。緊急事態宣言も明け、筆者はさまざまな女性からの被害談、目撃談をヒアリングしたが、誰に聞いても普通のスーツ姿の中高年男性ということが恐ろしかった。

「昨日、池袋駅でぶつかられたんです。絶対わざとです。斜向いから来て大きなかばんを思い切り脇腹に当てられました。痛いのと怖いのとで売店の壁にうずくまってしまいました」

なるほど、それなら筆者も目撃している。四ツ谷駅、御茶ノ水駅、そして同じ池袋駅だ。四ツ谷駅は気丈な女性が言い争って揉めているのを駅員と警備員が割って入っていた。

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