第34期竜王戦第2局第2日(23日、京都市・仁和寺)藤井聡太三冠(19)=棋聖・王位・叡王=が豊島将之竜王(31)に70手で勝利し、棋界最高峰のタイトル戦で開幕2連勝となった。苦手としていた豊島竜王との対戦成績も、これで10勝9敗とついに勝ち越し。史上最年少の4冠達成まで、あと2勝だ。
完勝だ。日が暮れる前の午後5時10分。後手番の藤井三冠が持ち時間を1時間8分も余らせて、開幕2連勝を飾った。
「激しい展開になったので、よく分からなかった。うまく玉頭から攻め込む形ができればと思っていました」
両者の対局では6局連続で攻撃的な相掛かりの戦型となった第2局。2日目は先手の豊島竜王が封じた43手目「▲9七同香」から再開し、難解な中盤戦は長考合戦となった。初日から主導権を握った藤井三冠は50手目で1時間21分をかけたが、豊島竜王の勝負手にも対応。攻めをつないであっという間に優勢となり、そのまま押し切った。
これで豊島竜王との対戦成績は10勝9敗。プロデビュー後に6連敗を喫するなど〝ラスボス〟と苦手にしてきたが、もはや昔の話だ。今期対局した3つのタイトル戦では王位戦で4勝1敗、叡王戦3勝2敗、竜王戦2勝で9勝3敗と大きく勝ち越し。勢いはとどまるところを知らない。
第3局は30、31日に福島県いわき市で行われる。王手がかかる一局に「第3局がすぐにありますので、あまりスコアは意識せずに次の対局にいい状態で臨めればと思います」と平常心を強調。羽生善治九段(51)の最年少四冠記録(22歳9カ月、1993年)の更新へ視界良好だ。
◆連敗となった豊島竜王 「本局は一方的になってしまった。次はもっと内容よくできたらと思います」