美村里江のミゴコロ

最高に堅いリンゴ

産経ニュース

果物が好きな人と話していると、「一番は何?」という流れになることが多い。

ビタミンも豊富なイチゴ。とろけるマンゴー。最近入手しやすくなったメロン。高級種なしマスカット…。人それぞれの熱のこもった回答が楽しい。

では自分はというと、イチゴだったこともナシだったこともあり、イチジクにハマった時期もあった。ここでも書いたことがあるが、グレープフルーツの果肉をきれいにむくのは、おばあさんになっても続けたい趣味の一つになりつつある。

しかし、どうやら本当の一番はリンゴだと数年前に気づいた。これを答えると、果物好きな人は「意外!」ということも多い。あまりにも身近すぎるからだろう。保存方法が確立しているため、「旬の果物」というイメージも薄い。

その分、年中食べられて価格変動も少なく、体調不良のときも寄り添ってくれる。いい果物だなあ、いつ食べてもおいしいなあと年々嗜好(しこう)評価が高まり、不動のトップとなった。

年中売っているとはいえ、本当の旬である今の時期、スーパーで扱う品種も増えたと思う。子供のころは「ふじ」「紅玉」「王林」あたりが多かったが、最近の中では「秋映(あきばえ)」がお気に入りだ。深紅が美しく、果肉はカリッと歯応えがいい。名前もすてき。

海外の輸入品では、ジャズという品種。小ぶりで堅めの果肉が好みで、少し割高でも買ってしまう。そう、特に堅いリンゴが好きなのだが、そんな私向きのニュースを見つけた。「虫や病気を寄せ付けず、輸送中も傷がつかない堅いリンゴ…」

なんでもベルギーの育種会社が開発した新品種「ギガ」は、普通のリンゴの硬度が6~7キロなのに対し、9~10キロにもなるとか。比重が大きくカリッとした食感、甘くて香りもいいらしい。数カ月の熟成期間を経て、今年から流通ということでワクワク。いつか必ず食べてみたい。

それ以外に温暖化に対応した品種、40度の酷暑にも耐える「HOT84A1」の情報も載っていた。現在の日本のリンゴは本当に素晴らしくおいしいが、温暖化については必ず関わりが出てくると思う。

「神話調」にいえば知恵の実であるリンゴ。日本で約2000種、世界では約1万5000種。そのさらなる進化が、食料危機も救うかもしれない。

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