ポトマック通信

奉仕と褒美

産経ニュース
東京・台場にある自由の女神像。夕日が右手のたいまつと重なると、まるで聖火ランナーのように見えた =東京都港区(佐藤徳昭撮影)
東京・台場にある自由の女神像。夕日が右手のたいまつと重なると、まるで聖火ランナーのように見えた =東京都港区(佐藤徳昭撮影)

米国は社会奉仕活動が盛んだ。篤信家が多いこととも関係があるのだろう。教育にも組み込まれ、中学生の娘が通う学区では一定時間以上の奉仕活動が卒業条件の一つ。何らかの活動に参加した生徒は、それを証明する書類を学校に提出する。実績が多いと大学進学にも有利に働くから、学校でボランティアの募集があると希望者が殺到する。

先日、ある教職員会議に「お菓子」を作って差し入れれば奉仕にカウントするとの告知があって志願しようとしたら、数分で定員がいっぱいになり、娘が「遅かったか~‼」と悔しがっていた。まるで人気歌手のライブチケットである。子供がいろいろな経験をできるのは素晴らしいし、教職員が会議で菓子をつまんでリラックスするのもいい。「これって社会奉仕か?」と思わないでもないけれど。

ふと、以前駐在していた中東を思い出す。イスラム教では、来世で天国に行けるかは現世でどれだけ善行を積んだかによるとされる。信者にはインセンティブもあり、たとえばラマダン(断食月)中に行う礼拝や喜捨は通常の70倍の価値があることになっている。

善行を促すには「褒美」も必要だとのリアリズムと、それをシステム化する思考。まったく違って見える米国とイスラムだが、通じる部分もあって興味深い。(大内清)

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