取材中に明かされ驚いた、創業仲間の本音 バンクシーの作品はなぜ高値で売れるのか

そして、もう一つ、私を言い表すのに彼が使った印象的な例えがあります。アーティストのバンクシーを引き合いに出したのです。

「バンクシーは街中の壁に絵を残します。そう表現すると、『落書き』とも捉えられます。しかし、バンクシーには『メッセージ』がある。彼は様々な政治的テーマをアートで表現し、強いメッセージを発信しているのです。バンクシーの絵にはストーリーがある。そしてそのバンクシーを支持する人が多くいる。だから『落書き』ではなく、彼の絵が世界的に評価を受け、高値で売買されているわけです」

CTOの発言に私は「ビジネス界のバンクシーだね(笑)」と返しましたが、身に余る比喩であり、今まで自分にはなかった視点だったので、印象的でした。

バンクシーのグラフィティは、「ストーリー」がなければ単なる落書きで終わってしまう(画像はイメージです/GettyImages)
バンクシーのグラフィティは、「ストーリー」がなければ単なる落書きで終わってしまう(画像はイメージです/GettyImages)

起業から5年経ったいまも、私は日々、「受付しかしたことがない自分がどうして経営者でいられるんだろう。力不足ではないだろうか」と考えます。会社を率いてはいますが、自信がたっぷりなわけでもありませんし、特殊な能力があるとも思っていません。

CTOの言葉は、そんな私に、40歳目前にして、新しい価値を授けてくれたと思っています。でも、私の「ストーリー」は自分でつくろうと思ってつくったわけでもありません。周りの人が「価値がある」と認識してくれたからこそなんだと思います。

だれでも「ストーリー」を持っている

読者の皆さんも、ご自身は気づいてないかもしれませんが、いろんなストーリーをお持ちなんだと思います。私は「起業」という新しいチャレンジの際に自分の生き様がストーリーになりました。何かにチャレンジするとき、一番の武器になるのは「ストーリー」かもしれません。

【元受付嬢CEOの視線】は受付嬢から起業家に転身した橋本真里子さんが“受付と企業の裏側”を紹介する連載コラムです。アーカイブはこちら

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