熱海盛り土問題、複数回の崩落確認も10年前に措置命令見送っていた 被害者側「人災、事件だと明らかに」 県が調査結果公表

土石流の起点となった盛り土
土石流の起点となった盛り土

 7月に静岡県熱海市で発生した大規模土石流をめぐり、起点となった土地を2006年に取得した神奈川県小田原市の会社(清算)が盛り土に木くずを埋めるなどの行為を繰り返し、静岡県が10~11年に複数回、崩落を確認していたことが分かった。市は11年に県土採取等規制条例に基づく措置命令や停止命令の発令を検討したが見送った。

 母を亡くした千葉県在住の瀬下雄史さん(53)は18日の記者会見で「行政に重大な過失があったと言わざるを得ない」と批判。加藤博太郎弁護士も「崩落は防ぐことのできた人災と言え、『事件』だと明らかになった」と指摘した。

 同日の記者会見で斉藤栄市長は、発令を見送ったのは土地所有者側が「不十分ながら防災工事を実施したこと」などが理由だと話した。この工事は未完成だった。

 県の公表文書などから、対策が十分取られていなかった経緯が判明、斉藤市長は「人災としての側面も否定できない」と認めつつ「このような土石流は想定していなかった」と話した。

 土地の現所有者の代理人弁護士は18日、「(11年に)土地を購入してから土石流災害が生じるまで一切の工事をしていません」とコメント。弁護士によると、市の担当者から「この土地は触らないで」と指示されたという。

 遺族や住民は民事、刑事で土地の現旧所有者らを告訴している。また、市議会は月内にも、地方自治法に基づく調査特別委員会(百条委員会)を設置、土地の現旧所有者や既に退職した市職員らを証人尋問し、責任の所在を明確にする見通し。

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