台湾半導体の新工場、日本の経済安保に追い風 TSMC誘致

産経ニュース
台湾・新竹にある台湾積体電路製造(TSMC)の工場(同社提供)
台湾・新竹にある台湾積体電路製造(TSMC)の工場(同社提供)

日本にとって、台湾積体電路製造(TSMC)による工場建設は、経済安全保障の確保と半導体産業の育成の大きな後押しとなる。

半導体をめぐっては昨年秋以降、米中貿易摩擦などを背景にした深刻な供給不足が各国経済を脅かしてきた。新型コロナウイルス感染再拡大による東南アジアの供給網混乱もあり、今も自動車など多くの完成品メーカーが必要な量の半導体などを確保できずにいる。

こうした状況は中国への技術流出とあいまって、各国に経済安保上の強い危機感を抱かせた。日本政府も6月に「半導体デジタル戦略」を掲げ、半導体産業の強化を国家事業と位置づけたが、TSMCの誘致はその具体策の一つだった。

半導体は一般的に、回路の線幅が狭いほど多くの情報を処理できる。半導体の生産受託で最大手のTSMCは主流の「ロジック(演算用)半導体」に強く、来年から世界に先駆けて線幅3ナノメートルの最先端品を量産する計画だ。その技術力は高く、韓国サムスン電子や米インテルですら劣勢に立たされているほどだ。

これに対し、日本の半導体工場が作れるのは40ナノメートルの普及品まで。ロジック半導体の技術はもはや失われた状態だ。TSMCが日本で作るのは22~28ナノメートルになる見通しだが、それでも優れた生産技術を持つTSMCの工場誘致は、地域雇用を増やせるだけでなく、日本の技術者育成にもつながるため、仮に国が巨額の補助金を出したとしても「十分おつりがくる」(素材大手)とみられる。

もっとも、工場を一つ誘致するだけでは不十分だ。かつて世界シェアの約半分を握っていた日本の半導体メーカーも、今は売り上げ上位で10位以内に入ることすらまれで、浮上の目が見えてきたとは言い難い。TSMCの工場誘致は日本の反転攻勢に向け大きな意味を持つのは確かだが、他にも産業育成の施策を矢継ぎ早に繰り出す必要がある。

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