「息子悲しんでいる」大津いじめ自殺10年、父親語る

産経ニュース
男子生徒の自殺から10年で思いを語った生徒の父親。ハンカチで涙をぬぐう場面もあった=11日午後、大津市(渡辺恭晃撮影)
男子生徒の自殺から10年で思いを語った生徒の父親。ハンカチで涙をぬぐう場面もあった=11日午後、大津市(渡辺恭晃撮影)

大津市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が平成23年10月、同級生からの殴る蹴るの暴行など凄惨(せいさん)ないじめを苦に自宅マンションから飛び降り自殺してから10年となった11日、男子生徒の父親(56)が大津市内で会見し、いじめ問題がなくならない現状に対し「息子は10年経っても変わらない世の中について、ひどく悲しんでいると思う」と苦しい胸の内を語った。

男子生徒の自殺をきっかけに25年6月、いじめ防止対策推進法が成立し、29年3月には国が重大事態の調査方法を示したガイドライン(指針)を策定した。しかし、父親は「法律が教育現場に浸透しておらず、根づいてもいない」と指摘。いじめが相次ぐ背景に、「教育現場で『いじめくらいで人は死なない』という考えがいまなお存在している」と強調し、重大事態が発生した際に設置される第三者調査委員会の委員選定に公平性などを担保するよう法改正を求めた。

今年3月に北海道旭川市で、中学2年の女子生徒=当時(14)=が死亡し、背景にいじめがあったとされる事案については、「なぶり殺しだ。亡くなってしまった子のことを考えるとこの10年で何をしていたんだと思う」と涙ながらに語った。

いじめ自殺をめぐっては、遺族に十分な説明がなかったり、調査が中立でなかったりといった教育委員会や学校の不十分な対応が問題となっている。会見に同席し、大津市のいじめ対策に取り組んできた前市長の越直美氏(46)は「亡くなった中学生の無念さや大津市の反省を忘れてほしくない」と述べた。

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