専門家に聞く「緊急事態解除後のコロナ対策」

今冬のインフルワクチンはどうすればいいのか 異なる種類のワクチン接種に関する接種間隔のルール

 国内外では、現在、新たな新型コロナワクチンや治療薬の開発が行われている。中でも、米国のモデルナ社は、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザウイルスの混合ワクチンの開発を行っていると報じられた。

 インフルエンザウイルスは変異しやすいがゆえに、毎年のワクチン接種が重症化抑制に効果を発揮している。一方、新型コロナも、ワクチン効果の減衰程度によっては、追加接種の必要性が出てくる。そこでインフルも新型コロナも、同時に受けられるように混合ワクチンを開発しようというのだ。

 では、今冬のインフルエンザワクチンは、どう活用すればよいのか。

 「国内では、新型コロナワクチンの接種が進行中です。新型コロナワクチンの接種前2週間、接種後2週間は、別の種類のワクチンを受けることができないことが、予防接種実施規則で定められています。接種スケジュールを考えて、インフルエンザワクチンも、重症化を防ぐために活用していただきたいと思います」

 こう話すのは、国立感染症研究所感染症疫学センター予防接種総括研究官の多屋馨子医師。ワクチン接種の適切な普及のために尽力している。

 国内ではインフルエンザワクチン以外にも、麻疹風疹混合ワクチン、水痘ワクチン、おたふくかぜワクチンなど、さまざまなワクチンがある。昨年10月、異なる種類のワクチン接種の接種間隔のルールが、一部変更された。

 この改定では、麻疹風疹混合ワクチンや水痘ワクチンなどの注射の生ワクチンを接種した後、別の種類の注射の生ワクチンを受ける場合は27日以上の間隔を開けなければならない。が、その他の組み合わせでは、接種間隔に制限がなくなった。加えて、以前から複数のワクチンを別々の場所に接種する同時接種は、ワクチンの種類に関係なく、医師が特に必要と認めれば接種可能である。新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンも、同時に接種できるようになれば手間は省ける。なぜそうはならないのか。

 「議論はされていますが、新型コロナワクチンは導入されてまだ日が浅く、他のワクチンとの同時接種による安全性などの検証が十分とはいえません。そのため、日本だけでなく海外でも、新型コロナワクチンの接種後、一定間隔を開けて接種を行う国は多いのです」

 自治体にもよるが、新型コロナワクチンの接種予約を入れるのが、未だにスムーズではないところもある。昨年来、インフルエンザの流行がないことも考えれば、ワクチンを改めて接種しに行くのが面倒と思う人もいるだろう。

 「インフルエンザワクチンの効果は半年程度で下がります。万が一、流行になった場合、高齢者やお子さん、基礎疾患を持つ方は、感染して重症化しやすくなります。それを防ぐために、インフルエンザワクチンも上手に活用してほしいのです」

 多屋医師はこうアドバイスする。 (取材・安達純子)

 ■異なる種類のワクチン接種に関する接種間隔のルール■

 昨年10月から3つのルールを守れば、異なるワクチン接種を間隔に関係なく受けることができる。

 (1)注射生ワクチンから次の注射生ワクチンの接種を受けるまでは、27日以上の間隔をおくこと。(麻疹風疹混合ワクチン、水痘ワクチン、おたふくかぜワクチン、BCGワクチンなど)

 (2)同じ種類のワクチン接種を複数回接種する場合、ワクチンごとに決められた間隔を守ること。

 (3)発熱や接種部位の腫れがないこと、体調が良いことを確認し、かかりつけ医に相談の上、接種を受けること。

 ※厚労省資料から(新型コロナワクチンについては例外で、インフルエンザワクチンとは今のところ同時に受けられない)

 ■多屋馨子(たや・けいこ) 国立感染症研究所感染症疫学センター予防接種総括研究官。1986年高知医科大学(現、高知大学医学部)卒、小児科医。大阪大学医学部附属病院・関連病院小児科、同大医学部微生物学講座・小児科学講座を経て、2001年から国立感染症研究所へ。感染症情報センター主任研究官、2002年から室長、2021年4月より現職。

zakzak

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