今からできる年金+10万円生活

定年退職者にキッチンカーという「場」を提供 バクテーの売り上げで「年金+月額10万円」軽くクリア

同世代のシニアに「場」を提供したいと話す伊藤氏
同世代のシニアに「場」を提供したいと話す伊藤氏

・まだ働けるのに「場」を見つけられない人が多い

・飲食でもキッチンカーは固定費のリスクが小さい

・定年の3年前からは準備をしておきたい

 60歳で定年を迎えて雇用延長で働く人は多いが、長年過ごしている会社なのに立場が変わったことで居心地の悪さを感じる人も少なくない。シニア世代でもまだ働けるのに、「場」がないためだ。

 大手メーカーで働いていた伊藤恭輔氏(63)も、会社員時代の先輩で優秀だった人たちが再雇用に入って今ひとつ活躍できていない状況を危惧していた。そこで定年退職後、そんな同世代の人たちに「場」を与えたいと考え、シンガポールの名物料理バクテー(肉骨茶)のキッチンカー(移動販売)のフランチャイズ展開事業をスタートした。

 海外勤務が多かった伊藤氏はシンガポール駐在時代にバクテーに魅せられた。バクテーは現地のソウルフードで、日本のラーメンのようにあちこちに店があるという。

 フランチャイズ展開を行うには、まず自分で運営し成功させなくてはならない。だが、店舗を構えるのは家賃や人件費などの負担が重すぎてリスクが高い。キッチンカーなら固定費負担がかからないと考えた。しかし、出店場所をどうするか?

 伊藤氏はMellowという若いベンチャー企業の相談会に出かけた。同社はキッチンカーを始めたい人の相談に乗り、場所を手配してくれる企業だ。

 「キッチンカーの文化を創りたいという同社のビジョンに感銘を受けました。すぐ登録し、場所の提供も受けて出店することにしました」(伊藤氏)

 では、バクテーの売り上げで、「年金+月額10万円」は可能なのだろうか。

 「その金額は軽くクリアできます」と伊藤氏。コロナ禍の現在は毎日2-3時間のランチ営業だけだが、普通にやれば1日の売り上げは3万円以上見込める。仕入れやMellowへの場所代などを支払っても手元に月に20万-30万円は残るという。

 コロナが収束し、各地のイベントが解禁されれば、1日の売り上げで10万円は見込めると伊藤氏は言う。月に4回の出店で、年金の減額のほうが心配になるほど粗利益が出そうだ。

 伊藤氏のフランチャイズ加入者には長野の工場で作るスープをレトルトパックで提供する。豚肉の仕入れは直接やり取りしてもらう。加盟料は月に3万円という。興味のある人はネットで「バクテー キッチンカー」と検索すれば伊藤氏のホームページに行き着く。

 「場を提供するために始めたのですから、売り上げからのマージンは取りません。役所手続きなどいろいろなこともお教えします」

 キッチンカーと厨房機材、許可証取得などの初期費用には460万円程度かかるが、信頼できる業者を紹介するという。

 伊藤氏によると、「キッチンカーの仕事ではお金では得られない喜びがある」という。目の前でお客さんに喜ばれることだ。「それに、キッチンカー仲間は気のいい人間ばかりで、自分が一番年上なのにみんなよくしてくれる」と伊藤氏は楽しげだ。

 「定年退職して海外旅行をすれば思い出が残る。それもいいですが、『今これをやっている』という手応えがあるほうが幸せじゃないですか」

 最後に伊藤氏は自身の経験から「定年後に何かを始めるなら3年前から準備するほうがいい」と話してくれた。気力・体力があるうちに、思い立ったらすぐ動くことだ。

 ■藤木俊明 副業評論家。自分のペースで働き、適正な報酬と社会とのつながりを得ることで心身の健康を目指す「複業」を推奨。著書に『複業のはじめ方』(同文舘出版)など。

zakzak

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