日大理事逮捕“ドンと一心同体”の権勢ぶり 「職員への態度も横柄…こわもての人物という印象」 特捜部は2・2億円の資金の流れ解明へ

 日本大学の付属病院建て替え工事をめぐり、背任容疑で東京地検特捜部に逮捕された日大理事の井ノ口忠男容疑者(64)は、大学の「ドン」田中英寿理事長(74)と「一心同体」で権勢を振るっていた。同容疑で逮捕された医療法人「錦秀(きんしゅう)会」前理事長、籔本雅巳容疑者(61)を経由した資金はどこへ消えたのか。特捜部は田中理事長の自宅を再度家宅捜索し、全容解明を急ぐ。

 両容疑者は評価点を改竄(かいざん)して東京都内の設計事務所を受注業者に選定。同事務所を通じて籔本容疑者が出資する都内の医療コンサルタント会社に、2億2000万円を流出させた疑いがある。そこから井ノ口容疑者の関係先に6600万円が送金された。同容疑者に2000万円超が渡ったとみられる。

 籔本容疑者は「見返りに(個人として)約1億円を受け取った」と周囲に説明しているという。

 井ノ口容疑者は大阪市で育ち日大に入学、アメリカンフットボール部では大学日本一に輝いた。

 2010年に設立された日大の関連会社「日本大学事業部」で調達業務を一手に担い業績を拡大。田中理事長に評価され、17年に理事に就任した。日大関係者は「関連会社への抜擢(ばってき)や日大での出世にも田中理事長が深く関わっており、大学内では理事長と一心同体だった。職員への態度も横柄で、こわもての人物という印象が強い」という。

 日大アメフト部のコーチも務めていたが、18年の悪質タックル問題では、元アメフト部員と父親に、当時の監督らの関与がなかったかのように説明することを求め、従わなかった場合は「日大が総力を挙げて、潰しに行く」と口封じを図った。軽率な行動で日大の信用を傷つけたとして同年7月に理事を辞任。コーチや日大事業部の事業企画部長も辞任した。

 19年12月に日大事業部の取締役として戻り、20年9月には大学の理事にも復帰していた。付属病院をめぐる不透明な資金の流れが生じたのもこの時期だった。

zakzak

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