食と健康 ホントの話

脳梗塞の発症リスク、ピーナツ摂取で20%減 脳卒中16%減、循環器疾患13%減との研究も

ピーナツの効用を見直そう
ピーナツの効用を見直そう

 アーモンドやクルミなどのナッツ類は、健康や美容によいことが知られている。とくに多く含まれる不飽和脂肪酸の働きによって、動脈硬化や心血管疾患に予防的であることが欧米の研究によって明らかになっている。

 ピーナツ(落花生)も、血管、心疾患への健康効果が期待できることが同様の研究でわかっている。しかし日本では「食べ過ぎると太る」「ニキビが出る」「食物アレルギーが怖い」などと他のナッツ類より劣るように言われ、「ナッツ類ではないから効果は少ない」とも思われてきた。ピーナツは厳密にはナッツ類(固い皮や殻に包まれた食用の木の実)ではなく豆類である。

 日本人のピーナツの摂取量は欧米に比べて少なく、これまでは心血管疾患との関連について研究報告はなかった。国立がん研究センターは「JPHC研究」という、日本人を対象にしたさまざまな生活習慣と、がん・2型糖尿病・脳卒中・心筋梗塞などとの関係を明らかにする目的で実施されている多目的コホート研究(ある要因を持つ集団と持たない集団を追跡し、両群の疾病の罹患率や死亡率を比較)を行っている。

 国立がん研究センターなどの研究グループは、1995年と98年に、全国の9保健所管轄に在住していた45~74歳の男女7万4793人を対象に、ピーナツの摂取量と脳卒中や虚血性心疾患の発症リスクとの関連を調査。食事アンケートに回答し、循環器疾患、がんになっていなかった人たちで、2012(平成24)年まで追跡。

 アンケートでのピーナツの摂取状況から、その人の1日あたりの摂取量を算出。摂取量が少ない順に並べて人数が均等になるよう4つのグループに分けた。最も摂取量が少ないグループを基準として、その他のグループのその後の脳卒中や虚血性心疾患の発症リスクを調べ、解析した結果、ピーナツ摂取量がもっとも多いグループは、もっとも少ないグループに比べて、脳卒中・脳梗塞・循環器疾患の発症リスクが低いことがわかった。

 もっとも多いグループでは、脳卒中は16%、脳梗塞は20%、循環器疾患は13%、それぞれ発症リスクが低下していた。一方で、脳出血と虚血性心疾患との関連はみられなかった。男女別に分けた解析でも、結果に大きな違いはなかった。

 この研究から、ピーナツを多く摂取すると、脳卒中(で血管が破れたり詰まったりして起こること)、とくに脳梗塞(で血管が詰まって起こること)に予防的であることがわかった。気になる人は積極的に摂りたいところだ。

 ピーナツについての著書があり、食品や栄養に詳しい、慶應義塾大学医学部化学教室の井上浩義教授は、ピーナツの効果的な摂り方を説明する。

 「今回の研究発表では、脳卒中、脳梗塞、循環器疾患での効果は、毎日0・70~4・3グラムの摂取で得られています。これは1~5粒程度に相当します。この結果から考えると、ピーナツは量をどれだけ食べるかというよりも、毎日食べることが重要であることが示唆されています。一方で、食物繊維、ビタミンE、不飽和脂肪酸などの摂取を考えると1日20粒の摂取がお勧めです」

 井上教授はさらに、ピーナツバターのほうが吸収がよい、昼間の酸化に備えて朝食べるとよい-と説明。「今回の結果は、ピーナツの摂取によって抗酸化効果が高くなり、脳の血管が保護されているものと思われます。この効果を確実に得るために、ポリフェノールが豊富に含まれる薄皮を付けたまま食べることがお勧めです」としている。 (医療ジャーナリスト 石井悦子)

zakzak

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