ヤクルト・高津監督、現役で殿堂入りへ 3年ぶりAクラス確定、CS出場決定 4カ国渡り歩いた経験生かし名将に

 セ・リーグ首位のヤクルトは6日の巨人戦(神宮)を制し5連勝。3年ぶりのAクラスを確定、6度目のクライマックスシリーズ(CS)出場を決めた。2年連続最下位のチームを優勝争いができるまでに導いた、就任2年目の高津臣吾監督(52)の株は爆騰。1990年代の黄金時代を支えたかつての守護神には、プロ野球史上でも一握りの名将しか果たしていない快挙への追い風も吹き始めた。来月1月中旬に発表される野球殿堂入りで、優勝監督として史上4人目の栄誉をつかめるか。 (塚沢健太郎)

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 首位の座は譲らない。3位巨人、2位阪神との天王山6連戦で2連勝スタート。高津監督は「今回の6連戦は重要視し、みんな頑張ってもらう。先発投手には無理してもらって(中5日で)1日間隔を詰めて、リリーフは毎日投げる覚悟でマウンドに上がってくれていると思います」と話し、零封リレーの投手陣をたたえた。

 就任後初のCS進出も決めたが、「ちょっとあんまり…。考えていないといったらあれですけど、全力で戦っている成果だと思います」とピンとこない様子。「勝つことしか考えていない。どんな手を使っても、と言ったらあれですけど。出し惜しみをすることなく、悔いを残すことなく、全力で戦いたいなと思います」と、6年ぶりの8度目のリーグVしか見据えていない。

 とはいえ、Aクラス確定は指揮官自身にとって大きな意味を持つ。上位3球団の監督が各リーグの首脳陣を務める、来年7月のオールスターへの出場が決定。これで来年1月発表の野球殿堂入りで選出されれば、例年オールスターで開催される表彰式に、現役監督としてユニホームを着て出席する権利を得たのだ。

 高津監督は救援投手として日本で歴代2位の286セーブ、さらにメジャーで27、韓国で8、台湾で26の通算347セーブ。4カ国を股にかけた実績は申し分ない。野球殿堂「競技者表彰」でも2016年に初めて候補に入ると、99票(6位)を獲得した。毎年着々と得票数を伸ばし、今年はトップとなる259票を集めたものの、選出条件となる投票数の75%以上には10票足りなかった。

 本来は競技者表彰に監督としての実績は加味されないが、今季ヤクルトを優勝に導けばご祝儀で投票数も押し上げられ、75%の突破は間違いない。

 これまで現役監督の殿堂入りは巨人・川上哲治、南海・鶴岡一人、中日・落合博満、ソフトバンク・秋山幸二、工藤公康、ロッテ・伊東勤、阪神・金本知憲の7人。この中で前年4位だった秋山監督だけが、球宴に出場できずスーツ姿で表彰式に出ている。

 ヤクルトは昨季最下位に沈み、今季の下馬評も軒並みBクラス。高津監督が来年に殿堂入りしても、同じくスーツで出席する公算大とみられていたわけだが、奇跡のAクラスを決めたうえ、6年ぶりの優勝を果たせば、来夏の球宴でセ・リーグの監督を任される。優勝監督として殿堂入りし、球宴の指揮を執ったのは過去に鶴岡、落合、工藤だけ。ヤクルトが優勝すれば高津監督は史上4人目となり、大監督たちと肩を並べることになる。

 Aクラス決定を受け、衣笠剛球団社長は「願ってもないことだね。3年連続最下位というわけにはいかないから、目標はAクラスだったけど、みんなも優勝に向かってノッてきている」と手応え。現役監督で殿堂入りの可能性が高まる高津監督については、「それはまた、すごいね。韓国リーグも台湾リーグもBCリーグも。もちろんメジャーリーグも全部、経験しているからね。それはそれで、コロナが終息したらお祝いしないといけないね」と盛大なパーティーを約束した。

 決して戦力がズバ抜けてはいないチームを率いて、堂々の優勝争いを繰り広げる高津采配への評価も上昇の一途だ。球団幹部は「今年は代打、投手交代がピタリ当たった起用をしている。攻めはオーソドックスで、変なサインを出してチャンスをつぶすことも少ない」と指摘。「選手時代はテレビに出ておちゃらけをすることもあったけど、投げることに関しては真剣そのもの。肘が悪かったのに、痛み止めを飲みながら身を削って毎日、投げていた。だから、選手の思いもよくわかっている」と話すように、熱い思いでチームを引っ張っている。

 残り18試合で、8日にも優勝マジックが点灯する。最下位監督から1年にして、「名選手名監督にあらず」の格言を覆せば、晴れて球史に残る野球人への仲間入りだ。

zakzak

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