テレビ用語の基礎知識

「最終回」 テレビマンもスポンサーも「守り」に徹しているかぎり未来はない

 今回のテーマは「最終回」です。この連載が最終回を迎えるわけではありません。このところ人気番組が続々最終回を迎えていますよね。なぜ人気があるし面白いのに終わってしまうのだろう、という番組が増えています。終わらせるのはもったいないよね、と僕たちテレビマンも思います。

 今年の初めにこの連載で一度「番組終了」というテーマを書いたことがあって、その時に「なぜ人気番組でも終了するのか」の理由を2つ説明させてもらいました。

 ひとつは番組制作費を削減するため。もうひとつは番組の評価基準が変わったため。これは、簡単にいえば、高年齢層で視聴率をとっているような番組の存在価値が薄くなったということです。

 新たにもうひとつ理由を追加するとすれば「古い価値観やコンプライアンス的に問題のある番組の継続をスポンサーが望まなくなった」ということでしょうか。「この番組、今は面白がられているけれど、いずれ問題を起こしそうだし炎上しそうだから、もうやめましょう」ということです。

 いずれにしろ、僕が思うのは「人気番組が最終回を迎えるのを嘆くより、新しい形の番組がこれからどんどん誕生してくる時代の始まりだと思って喜んだほうがいい」ということです。番組制作もどんどん新しいチャレンジをするべきときです。

 なので全体的にはテレビ業界はこの傾向を前向きに捉えたほうがいいと思うのですが、気になることがふたつあります。

 ひとつはまだまだテレビ局員自体が本質的には変わろうとしていないのではないかということ。テレビ制作のあり方とか、コンテンツのあり方とか、地方局はどう生き残るかとか、そういう議論はテレビ局員らの間で活発にされている感じはあるのですが、本質的に「高給をもらっていて特権階級的なテレビマンの地位やあり方」を変えようとする動きにはなっていない感じがします。

 そしてもうひとつはスポンサーの意識改革です。「誰からも文句が出ない番組を」という意識では面白い番組などできるはずがありません。「一部の人からは嫌われるかもしれないが、一部の人からはとても喜ばれる番組」を応援してこそ、自社のファンも増えるのだということに気がついてほしいのです。

 結局、テレビマンもスポンサーも「攻めではなく守りに徹している」かぎりは日本のテレビに未来はありません。痛みを伴っても意識を変えるべきです。

 まさに、今の日本のテレビが面白くないのは、今の日本社会がダメなのと同じ構図だともいえると思うのです。

 ■鎮目博道(しずめ・ひろみち) テレビプロデューサー。上智大学文学部新聞学科非常勤講師。1992年テレビ朝日入社。スーパーJチャンネル、報道ステーションなどのプロデューサーを経て、ABEMAの立ち上げに参画。「AbemaPrime」、「Wの悲喜劇」などを企画・プロデュース。2019年8月に独立。近著に『アクセス、登録が劇的に増える! 「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版)。

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