ぴいぷる

歌手・小林幸子 芸歴57年、演歌界“最強”のエンターテイナー デビューから続く五輪との縁

 芸歴57年、演歌界“最強”のエンターテイナーだ。昔からのファンにとっては「さっちゃん」の愛称でおなじみ。NHK紅白歌合戦で披露した豪華衣装がテレビゲームの最後に登場する強敵キャラに似ているということから、ネットユーザーの若者からは「ラスボス」と呼ばれる。

 だが、さすがのラスボスも新型コロナウイルス禍には勝てない。約1年半、通常のコンサートが開催できずにいる。自らの苦境を「コロナでずーっと曇り空が続いたんです」と独特の言葉で吐露した。

 「心が痛いのは、音響や照明、バンドのメンバー、これまで一緒にやってきたスタッフたちがコンサートツアーをできないために苦境に立たされていること。自分にはどうすることもできませんが、歌い手としては、まず現状を受け止めることから始めないといけない。元に戻ることを望んでばかりでは、またつらいことが待っているような気がするんです」

 そんな彼女に明るい晴れ間を見せてくれたのが、今夏の東京五輪・パラリンピックだった。

 「選手の皆さんが頑張っている姿から、すごい元気をいただきました。『ありがとう』という言葉しかありません」

 五輪とは縁がある。10歳でデビューしたのは、昭和の東京五輪が開催された1964年だった。

 「デビューしたのがその年の6月5日。同じ月の11日、新潟地震が発生したんです。もし地震の方が先に起きていたら、おそらく歌手にはなっていなかったでしょうね」

 五輪との縁は令和でも続き、今年の東京五輪が開催される前、故郷・新潟で聖火ランナーを務めた。くしくも歌手としてスタートした日と同じ6月5日。コロナ禍で有名人ランナーの辞退が相次いでいたが、「新潟に元気を送りたい」と涙ぐみながら走り切った。

 「うれしかったのと同時に、これまでずっと応援してくれた新潟の人たちや、天国にいる両親のことを考えたら涙が出ちゃいましたね。デビューしたのと同じ日に聖火を持って故郷を走るなんて。あれから57年がたったんだなと実感しました」

 新潟は年間を通してやってきたコンサートで一番回数が多い土地。思い入れは強い。

 「皆さんからの『早くさっちゃんのショーが見たいよ』という応援が、私にパワーをくれるんです」

 故郷を大切にする一方で、大御所ぶらずに何事も面白がりながらチャレンジする姿勢が、この人の魅力だ。4人組ムード歌謡グループの純烈が主演で現在公開中の特撮映画『スーパー戦闘 純烈ジャー』(製作・配給、東映ビデオ)では、まさにラスボスという役どころに挑戦。温浴施設を守るヒーロー、純烈ジャーを圧倒的なパワーで追い詰めるフローデワルサという女王を演じている。

 「最初は女王役だと聞いて喜んだんです。ところが台本が届いて読んでみたら悪の女王で、衣装も『今から作ると間に合わないので自前でお願いします』と言われました」

 苦笑いしつつも、「ものすごく巨大になったり目からビームを出すシーンもあっておかしいんですが、楽しんで撮影できました」と充実した表情を見せる。エンターテインメントには人々を笑顔にする力があると信じているからだ。

 「笑えたり、ほんわかした気持ちで幸せを感じられるのは、とても大切なこと。その機会をつくれたらうれしいです」

 もう1つ、ネット時代ならではの取り組みも。自身のYouTubeチャンネルを新たに『小林幸子はYouTuBBA(ユーチューババア)!!』とリニューアル。自虐的なネーミングとも思えるが、意外にも当人は気に入っているらしい。

 「インターネットは、芸能人じゃなくてもいろんな人が自分らしさを表現できる世界です。このチャンネルから、テレビとは違う私の姿をお届けできたらと思います」

 苦境にもめげず、パワーを蓄えてきたラスボス。コロナ禍を吹っ飛ばすような“逆襲”に期待したい。(ペン・磯西賢 カメラ・宮崎瑞穂)

 ■小林幸子(こばやし・さちこ) 歌手。1953年月5日生まれ、歳。新潟県出身。年に『ウソツキ鴎』でデビュー。年の『おもいで酒』が200万枚突破の大ヒットとなり、日本レコード大賞を始め、数々の音楽賞を受賞。同年にNHK紅白歌合戦に初出場し、以降回出場。近年ではニコニコ動画への投稿やボーカロイドソフトの発売などで、若い世代やネットユーザーからの人気も集めている。2006年に紺綬褒章受章。

zakzak


  1. 「いちゃもん、うっとうしい」吉村知事が枝野氏を痛烈批判

  2. 【衆院選2021年秋】与野党“落選危機リスト”大物・著名候補28人 東京18区・菅直人氏が大接戦 大阪は三つどもえ 岩手3区・小沢一郎氏は高齢も意気軒昂

  3. 1年間に売れた韓国車は1台!?日本車シェアほぼ100% 知られざる親日国パキスタンの素顔

  4. 小泉進次郎氏「妻に申し訳ない」 クリステルさん名義の巨額資産公開で

  5. 「枝野さん、議論しろよ」 安倍前首相が憲法シンポで改憲議論呼びかけ