令和を変える!関西の発想力

京都の華道が教える古くて新しい創造力 時代に合わせて見せ方を変える不断の努力で人々の心を掴む

イケメン華道男子グループ「IKENOBOYS」(c)池坊華道会
イケメン華道男子グループ「IKENOBOYS」(c)池坊華道会

 千年の都・京都。その魅力は世界の人々の心をとらえて離しません。しかもコロナ禍で観光できない今、京都の人気はますます高まっています。それを裏付けるように、アメリカの大手旅行雑誌コンデナスト・トラベラーは昨年10月、読者投票による「世界で最も魅力的な大都市ランキング」において、初めて京都が1位に選ばれたと発表しました。

 しかしなぜ、これほどまでに京都は外国人の心を掴(つか)むのでしょうか。その極意が少しでも分かれば、コロナ禍に落ち込んだグローバルビジネスを立て直すヒントになりそうです。

 そこで、京都を本拠地に国内外約100拠点のグローバルネットワークを持つ華道家元池坊に、世界の人心を掴む極意を聞いてみました。というのも池坊は室町時代から約560年間、華道の歴史と文化を忠実に守りながらも、次々と斬新な企画を打ち出しているのです。

 たとえば、5年ほど前にはジャニーズばりのイケメン華道男子グループIKENOBOYS(イケノボーイズ)を発表。次々とテレビやイベントに出演させて若い世代を中心に幅広い人気を集めています。

 また先日は二条城近くの現代アートギャラリー「京都場」で10月16日から2日間、新しい芸術「いけばなアート」を披露すると発表しました。タイトルも「IKENOBO いけばなアート展『いま。』」と現代オシャレ風で、20~30代の若手華道人たちが自由な発想で作品を制作し、来場者だけでなく、インターネットのライブ配信で世界とつながりながら新しい華道の魅力を共有するそうです。

 いずれも古風で重厚な池坊のイメージとはかけ離れた取り組みに見えますが、いったいなぜ、このような企画を打ち出すのでしょうか。企画プロデュースを担う池坊の徳持拓也さんを直撃しました。すると「若い華道人たちは斬新なアート感覚を持っているので、その可能性を育てたいのです」と語ります。そして、若い華道人が拓く新たな可能性こそが、時代を超えて文化を継承し、世界の人々を惹きつけるのだと教えてくれました。

 ちなみに、ここで言う華道人とは、単に花を生ける人ではなく、古から伝承される華道の精神を根本から理解し体現できる人のこと。そんな華道人が抱く若い感性こそが次代をつくり、ひいては世界の人々の心を掴むということです。つまり、カッコいいIKENOBOYSも「いけばなアート」の若手華道人たちも、華道の基本を忠実に守りながら、時代にマッチした見せ方で真の魅力を発信しているのです。

 さらに、華道の基本をざっくり説明すると「草木の移りゆくあらゆる姿に美を見出すこと」だそう。だからこそ華道人には自然と命の美を表現する心と技が求められるというワケです。

 いやぁ、やっぱり京都の文化は深いですね。

 しかも時代に合わせて見せ方を変える不断の努力には頭が下がります。世界の人心を掴むには、ブレない信念と温故知新の考え方が不可欠ということです。コロナ禍で心ブレブレなあなた、まずは京都で「いけばなアート」を観て、心を整えますか。

 ■殿村美樹(とのむら・みき) 株式会社TMオフィス代表取締役。同志社大学大学院ビジネス研究科「地域ブランド戦略」教員。関西大学社会学部「広報論」講師。「うどん県」や「ひこにゃん」など、地方PRを3000件以上成功させた“ブーム仕掛け人”。

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