“82年組の同期”小泉今日子の「キャラ確立」に影響 洋楽ディレクター起用で回り始めた運命

明菜は成長するアイドルだった
明菜は成長するアイドルだった

【歌姫伝説 中森明菜の軌跡と奇跡】

「松田聖子さんと中森明菜さんの2人がいたから小泉今日子というキャラクターができていったような気がします」

明菜と同じ〝82年組アイドル〟の1人、小泉今日子が今月8日、ニッポン放送『ラジオビバリー昼ズ』に出演し、40年の芸能活動で自身に大きな影響を与えたアイドルに聖子とともに明菜の名前も挙げた。

この日「昭和・平成・令和のアイドル総登場 スタービックリ㊙報告」のコーナーに登場した小泉。パーソナリティーを務めた春風亭昇太から「この人はすごいと思ったことは?」と問われ、「2年先輩に聖子さんがいて。もう完璧なんですよね」とした上で「曲も素晴らしい。衣装だとか、かわいらしさだとか、もう完璧って思えた」と回答。続いて、名前を挙げたのが明菜だった。

「聖子さんとは対極で自己演出力の素晴らしさ、歌の表現力みたいなので…」というと、冒頭の発言があった。さらに「こっちもかなわない、こっちもかなわない。じゃあ何ができるんだろうって、私もスタッフも考えた気がします。だから今風の普通の女の子ってどう表現できるんだろう、っていうことで、小泉今日子が生まれたと思う」と懐かしそうに振り返った。

当時、ワーナー・パイオニア(現ワーナーミュージック・ジャパン)で明菜の担当プロモーターだった田中良明(現在は「沢里裕二」の名義で作家活動中)はいう。

「同期のアイドルで、おそらく明菜を一番意識していたのは小泉今日子さんだったかもしれませんね。というより、この2人は同期でも別格でしたし、仲も良かった。もっとも聖子さんと明菜の大きな違いは、明菜の場合、従来のアイドル像から抜け出したいという思いが強かったことです。つまり明菜の目指すアイドル像のイメージは、よりファッショナブルでアート的なものだったと思いますね。アーストンボラージュなどルーズフィットファッションがはやっていたバブルの全盛期に、より風変わりな創造的な世界を模索していたような気がします」

小泉が、聖子と明菜の間で自らの方向性を模索したように、明菜自身も自らの方向性を模索し続けていたというわけか。

しかし、デビュー前から明菜のディレクターを務めてきた島田雄三とは「ことごとくぶつかり合っていた」と田中はいう。そこで、島田は明菜の制作現場をいったん引くことを決意した。

「1984年11月14日に『飾りじゃないのよ涙は』が発売された直後で、確か『NHK紅白歌合戦』の前後だったような気がします。島田さんのほうが明菜から距離を置くようになりました」

そこで、新たに担当ディレクターに就いたのが藤倉克己(現・音楽プロデューサー)だった。藤倉は洋楽部のディレクターだったが、邦楽部に異動を命じられ、いきなり担当したのが明菜だった。ワーナーとしては異例の大抜擢(ばってき)だった。が、その藤倉に目をつけたのは明菜の制作宣伝を統括していた寺林晁(現エイベックス・エンタテインメント・レーベル事情本部アドバイザー)だったといわれる。藤倉は振り返る。

「洋楽から邦楽に異動するケースは東芝EMI(現ユニバーサル・ミュージック)などでもありましたからね、それほど珍しいという気持ちはありませんでした。そもそも寺林さんも洋楽系イベンターのウドー音楽事務所から移ってきた人ですからね、おそらく邦楽の中に洋楽のテイストを盛り込みたかったのだと思いますね」

藤倉の起用には島田も納得した。ただ、そこには島田なりの計算もあったのではないかと田中はいう。

「洋楽畑の出身で邦楽には疎いと思ったようです。おそらく寺林さんの思惑とは真逆に、藤倉さんとは絶対にぶつかると島田さんは思っていたようです」

しかし、運命とは流転するものだった。 =敬称略 (芸能ジャーナリスト・渡邉裕二)

中森明菜(なかもり・あきな) 1965年7月13日生まれ、東京都出身。81年、日本テレビ系のオーディション番組『スター誕生!』で合格し、82年5月1日、シングル『スローモーション』でデビュー。『少女A』『禁区』『北ウイング』『飾りじゃないのよ涙は』『DESIRE―情熱―』などヒット曲多数。NHK紅白歌合戦には8回出場。85、86年には2年連続で日本レコード大賞を受賞している。

zakzak

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