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お客様も社員もみんなイキイキ!! コロナ禍でも「ミンティア +MASK」で逆転 アサヒグループ食品・川原浩社長

 今年3月、社長に就任した。それまでのキャリアが半端ではない。大学卒業後、金融・証券、投資会社と、まさに「生き馬の目を抜く」世界でキャリアを積み重ねてきた。縁あって昨年、アサヒグループ食品に入社。食品業界は初めての経験。「企業の使命はどの業界も同じ。どんなことができるか、胸を膨らませている」と語る。 (危機管理・広報コンサルタント 山本ヒロ子)

 --会社への思いをお聞かせください

 「食」は成長産業です。「赤ちゃんからシニアまで食生活に役立つ商品を提供する会社」として存在感を高めていきたい。「顔の見える会社」「顔の見える経営」を率先し、社員が誇りを持ってイキイキと働ける会社にすることが私の役割だと思っています。

 --アサヒグループ食品の強みは

 タブレット菓子「ミンティア」や、フリーズドライ食品の「アマノフーズ」をはじめ、栄養サポート食品、サプリメント、ベビーフードや介護食品の「和光堂」など、それぞれの市場でナンバーワン、ツーのブランドを持っている日本で唯一無二の食品会社です。

 --「ミンティア」は昨年、苦戦しました

 今年は発売25周年を迎えます。商品の品揃えを図り、右肩上がりで伸び、2019年の売上高は238億円。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で前年比69%でした。コロナ前は、通勤時の口さみしさの解消や、会議の眠気覚まし、人に会う時のエチケットとして愛用されてきました。しかし、コロナ禍で在宅勤務が増え、人と会う機会もなくなり、「ミンティア」登場場面が一気に無くなりました。

 --転んでもただでは起きませんでした

 マスクが日常になったことに着目し、マスク着用時、香りをプラスして楽しめる「ミンティア +MASK」を今年3月に新発売しました。普段、タブレット菓子を食べない方にも「マスク着用時専用」というキャッチフレーズが受け、リピーターも増えています。

 --社員も元気になりました

 社員にはよく、「お客さまに旗を立ててください」と言っています。お客さまを起点にした発想が必要ということです。コロナ禍をはじめ、少子高齢化、気候危機など社会は刻々と変化しています。常にお客さまの立場で物事を考えていくことが大切です。

 --介護食品もヒットしています

 介護する人にとって1日に3度の食事は並大抵のことではなく、介護疲れにもつながります。こうしたご家庭には、「バランス献立」ブランドなどの介護食品を活用していただき、余裕ができた時間をご家族との団らんに充てていただきたいと思います。商品開発にあたっては、「社会課題のお手伝いをする」ことを意識しながら取り組んでいます。

 --ポイントは「おいしさ」?

 シニア世代は舌が肥えていて、おいしいことが召し上がっていただく一番の条件です。2014年にアサヒグループ入りした老舗日本料理店「なだ万」監修の「やわらかようかん」は、「これが介護食品?」と思われるほどおいしいです。「おいしさ」の追求はどの商品にも共通することで、「『おいしさ+α』を、もっと身近に。」をモットーに、これからもお客さまの「毎日」と、さまざまな「ライフステージ」にお役立ちできる商品を提供していきます。

 --「HIROSHIのへや」が社員の間で好評です

 私が役員に、仕事への思いやプライベートタイムの過ごし方などについてインタビューし、イントラネットで配信(約15分)しています。経営と現場の距離を縮められたらと始めました。先日は、専務取締役にインタビュー。休日は大型バイクに乗り、ソロキャンプを楽しんでいることが分かり、グンと親しみを持つようになりました。

 --社員の皆さんにひと言

 「チャレンジ」してほしいと、いつも言っています。10回チャレンジして、8回失敗してもいい。チャレンジすることに意義があります。「チャレンジしましたが失敗しました。でもこんな学びがありました」、そういう言葉を待っています。和光堂や天野実業などさまざまな会社の出身、経験者が集まっています。どんなチャレンジをするか、私も楽しみにしています。

 【誇りの持てる会社】長銀には9年間在籍し、後の約4年間はニューヨークの子会社に勤務した。長銀が厳しい状況に置かれていたことについて、「海外で冷静な目で状況を判断でき、自分の将来についても落ち着いて考えることができました」。

 その後、銀行、証券、投資会社などに転職。自ら手掛けたM&A(合併買収)が日経の1面に掲載され、達成感を感じたこともある。「サラリーマン生活残り10年」と考えた時、「モノづくりに携わりたい」「世の中の役に立っているという、分かりやすく誇りの持てる会社に行きたい」と思うようになった。

 【食生活アドバイザー】食品メーカーへの転職を機に、食の安全や栄養と健康などについて正しく理解したいと、「食生活アドバイザー」の資格を取得。このほか、「ヘルシー&ビューティーフードアドバイザー」「利き酒ソムリエ」などの資格を持つ。

 【ギター】学生時代、ロックバンドを本格的に開始。メンバー4人のうち3人は今もプロのミュージシャンとして活躍している。担当はギター。昔、手に入れられないような、憧れのギターを買い揃え、それを眺めて楽しんでいる。

 【ベンチプレス】昨年からほぼ毎週1回、仕事帰りにトレーニングジムに通い、ベンチプレスに挑戦している。初心者の目標は、自分の体重の重量を持ち上げられること。自身の体重は70キログラムだが、なかなか達成できなかった。しかし、「今回の取材の話をいただいて、「『達成できました』と報告したくて頑張って8月初めに実現できました」

 【家族】妻と長男(25)、長女(23)、次男(20)。長男は社会人だが、コロナ禍で在宅勤務の時には皆で夕食を共にする。「割合、仲の良い家族だと思います」

 【座右の銘】「Change before you have to(変革せよ。変革を迫られる前に)」。元GE会長ジャック・ウェルチ(20年に84歳で死去)の言葉。

 【会社メモ】 2015年、アサヒグループホールディングス傘下にあったアサヒフードアンドヘルスケア、ベビーフードの和光堂、フリーズドライの天野実業の3社が統合して誕生。21年1月アサヒカルピスウェルネスを吸収合併した。本社・東京都渋谷区恵比寿南。資本金50億円。食品事業としての売上収益1235億円。社員数約1200人。(いずれも20年12月期)

 ■川原浩(かわはら・ひろし) 1966年7月生まれ。55歳。神奈川県茅ケ崎市出身。慶大経済学部卒業後の90年、日本長期信用銀行(現新生銀行)入行。99年チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン証券)入行。2001年GE入社。06年カーライル・ジャパン・エルエルシー入社。20年アサヒグループ食品専務取締役兼専務執行役員。21年3月から代表取締役社長。

zakzak

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