大阪IR事業者決定 国の認定獲得にはハードル

産経ニュース
IRが誘致される予定の人工島・夢洲(ゆめしま)=今年1月、大阪市此花区
IRが誘致される予定の人工島・夢洲(ゆめしま)=今年1月、大阪市此花区

大阪府市がオリックス、米MGMリゾーツ・インターナショナルの連合を大阪IRの整備事業者として正式に選定した。来年4月末が締め切りの国に対する区域整備計画の認定申請に向け、府市とMGM連合は共同での計画策定作業を本格化させる。国が求めるのは、観光産業の国際競争力を高めつつ、訪日客が各地を旅行し、広域で経済が潤うIR施設。基準をクリアできる計画づくりに向けては、事業者と行政が乗り越えるべきハードルは決して低くない。

政府が昨年12月に発表したIR基本方針によれば、IR誘致を目指す自治体が提出する区域整備計画は10以上の基準で評価される。

具体的には、大規模で、地域の新たな象徴になりうる建築物を含む全体計画▷重要な国際会議などに対応したMICE(国際会議・展示場)施設▷客室の広さ、設備を備え、国際競争力がある宿泊施設▷他の施設とバランスがとれたカジノ施設▷訪日客が各地を観光するための送客施設を備え、国内外の主要都市への移動が容易―などだ。

関西の経済界からは、しっかりした計画をもとに「(収益性の高い)カジノを基盤に、MICEなど、将来性のある事業を安定的に進めてほしい」(関西経済連合会の松本正義会長)といった期待の声が上がる。

ただ、国が求める基準をクリアする計画を作るのは容易ではない。

たとえば、IR誘致が予定される夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)へは、令和7年の大阪・関西万博の開催決定で大阪メトロの中央線延伸が決まったが、他の鉄道会社は依然として慎重なまま。施設・ホテルに訪日客らを集め、さらに他の地域への送客も求められるIRにとり、貧弱な交通インフラは大きな障害だ。

国の基準である、訪日客が各地を観光するための送客施設を備え、国内外の主要都市への移動が容易にすることも可能になるか怪しくなる。

大都市で、かつ1兆円規模という巨額投資を事業者が決めた大阪がどのような計画を打ち出すかは、日本のIR産業の行方を左右すると言っても過言ではない。大阪以外にも和歌山県、長崎県がIR誘致を目指しているが、計画しているIRの規模は小さく、採算性の問題から誘致の実現自体を疑問視する声があるからだ。

そもそも、IRそのものに対する反対意見も依然としてある。住民や経済界が歓迎できる計画をまとめ、国の認定を勝ち取ることができるか。大阪が直面する課題は決して小さくない。(黒川信雄)

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