日本銀行は28日、7月に開いた金融政策決定会合の議事要旨を公表した。この会合で決めた、脱炭素社会の実現に向けた金融機関の投融資を支援する資金供給制度の骨子案をめぐる議論で「市場中立性への配慮と政策の柔軟性を併せ持つ仕組みで適切だ」などと、前向きな意見が相次いだ。
会合は7月15、16日に開催。金融機関に積極的な投融資を促すため事実上の補助金を出すかどうかも注目されたが、見送った。気候変動への対応は「息の長い取り組みだ」との意見を踏まえ、金融機関が日銀に預ける当座預金にかかるマイナス金利の影響を軽減するだけにとどめた。
日銀は市場の中立性に配慮し、投融資が脱炭素に役立つかどうかの判断は金融機関に委ねる。委員からは判断が甘くなれば「制度の信認を落としかねない」との指摘がなされ、一定の情報開示を求めることで規律を働かせる仕組みとした。