テレビ用語の基礎知識

「ナレーターと声優」 明らかに別の職業、うまく共存共栄してほしい 「有名声優を番組ナレーターに…もうやめにしないか?」発言で賛否両論

 とある有名ナレーターさんが「有名声優を番組ナレーターに使うのは、もうやめにしないか?」などと発言して話題になりました。ナレーターはナレーションだけに心血を注いでいる。声優にはナレーション表現はできない、と。賛否両論あったみたいですけど、テレビマンの私にはこの発言の趣旨はよく分かります。

 私もこれまでに数多くのナレーターさん、声優さんにナレーションをお願いしました。それぞれの「良さ」はありますが、やはり言えるのは「ナレーションはダントツでナレーターがうまい」、そして「明らかにナレーターと声優は別の職業である」ということです。

 そりゃ、中にはベテランで「ナレーションもめちゃくちゃうまい声優」もいます。レギュラーでニュースのナレーションを担当する声優さんもいます。

 でも、一般的にはナレーションはやっぱりナレーターさんがうまい。そして声優さんには声優さんのお仕事があり、それぞれ専門が異なるだけの話です。

 悪いのは間違いなく、われわれ制作側です。「アニメ好きな人が多いから、人気声優を起用すれば視聴率が上がるだろう」というようなスケベ根性をわれわれが変に発揮して、「アイドル声優起用ブーム」にしてしまった。

 あと、ドキュメンタリー番組なんかで「たいして語りが上手でもない」タレントやお笑い芸人なんかにスカしたナレーションを読ませる番組も良くない。あれも「知名度乗っかり」がミエミエです。もっと制作サイドは専業のナレーターさんを大切にしたほうがいいのかな、と思います。

 声優さんに番組ナレーションをお願いすると「スケジュールがもらいにくい」というデメリットもあります。アニメの仕事ってスケジュールを直前までベタ押さえされるので、ギリギリまで空きが分からないんですよね。あとギャラの相場も声優さんのほうが高い気がします。

 これだとまるで私がナレーターさんの肩を持っているみたいですが、違います。いま実は伊藤ハムさんの「ふたりでハムハム」というYouTube動画の総合演出をしていて、「ハム係長」というキャラクターのCVを声優の石田彰さんに担当していただいていますが、石田さんのお仕事は実に素晴らしい! の一言です。事前の下読みも完璧で、ご自身が納得されるまで何度も読み直しをしてくださいますし、一緒にお仕事をしてとても勉強になっています。

 やはりナレーターも声優も、ホンモノはすごいんですよね。うまく共存共栄していただけたらな、と思います。

 ■鎮目博道(しずめ・ひろみち) テレビプロデューサー。上智大学文学部新聞学科非常勤講師。1992年テレビ朝日入社。スーパーJチャンネル、報道ステーションなどのプロデューサーを経て、ABEMAの立ち上げに参画。「AbemaPrime」、「Wの悲喜劇」などを企画・プロデュース。2019年8月に独立。近著に『アクセス、登録が劇的に増える! 「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版)。

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