熱海土石流、現旧土地所有者をあす提訴 計31億円の支払い求める 土砂崩れの危険性も放置…明確な「人災」と主張

大規模な土石流が発生し、家屋が押し流された現場=5日午後1時50分、静岡県熱海市伊豆山(本社ヘリから、沢野貴信撮影)
大規模な土石流が発生し、家屋が押し流された現場=5日午後1時50分、静岡県熱海市伊豆山(本社ヘリから、沢野貴信撮影)

 静岡県熱海市で7月に発生した大規模土石流で、起点となった土地の不適切な盛り土が原因の疑いがあるとして、伊豆山地区に住む被災住民ら計68人が土地の現旧所有者らを相手取り計約31億円の支払いを求めて28日にも静岡地裁沼津支部に提訴する方針を固めたことが分かった。遺族の1人は夕刊フジの取材に「(被告には)法的な手続きにのっとり、しかるべき責任を果たしてもらいたい」と語った。

 土石流では周辺住民ら26人の死亡が確認されている。訴状などによると、盛り土には適切な排水設備や擁壁が設置されておらず、土砂崩落の危険性を以前から指摘されていたにもかかわらず放置したことには重大な過失が認められ、土石流は明確な「人災」であったと主張している。

 原告団の1人で「被害者の会」代表の瀬下雄史さん (53 )は8月に土地の現旧所有者を業務上過失致死などの容疑で刑事告訴もしている。

 土石流で母親を亡くした瀬下さんは「(被告に)資産や証拠の隠蔽(いんぺい)の猶予を与えたくないので刑事告訴した。今後告訴に加わることを検討している6人の遺族の中には、相手の反応が怖いなどの理由で悩む方もいる」と語る。

 伊豆山地区は、相模湾を見渡せる景観や冬でも比較的温暖な気候、近くに源泉があり、自宅に温泉を引ける環境などが魅力で現役を退いた世代から人気を集めていたという。瀬下さんの両親も、老後の生活を送る地域として約20年前に同地区に移住した。「傾斜地ではあったものの、もとは地滑りのリスクは低い土地として知られていた。これまでも豪雨などの経験はあったが、両親からは『うちは大丈夫だよ』と聞いていた」と瀬下氏。

 土石流が発生するまで瀬下さんの両親には業者や行政から盛り土の存在や崩落の危険性が指摘されているという情報共有はなかった。「盛り土の現場周辺では反対運動もあったと聞くが、少し離れた地域では何も知らない人が多かったはずだ」

 原告側弁護団の加藤博太郎弁護士は「土地の現旧所有者が、崩落の危険性を指摘されたにもかかわらず適切な対処を取らなかった過失は明らかだ」と語っている。

 土地の現所有者の代理人弁護士は「訴訟が行われる場合には、市や県、国の科学的調査を踏まえフェアに適切な対応を行う」と回答した。前所有者の代理人弁護士は「まだ訴状が届いていないので、現時点でのコメントは差し控える」とそれぞれコメントした。

zakzak

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