第6波で「医療崩壊」リスク 新規感染者大幅減も…コロナ以外の呼吸器疾患増 医療従事者の確保困難、小病院・開業医の対応に限界

今後の「感染第6波」に向けた医療体制の整備は急務だ
今後の「感染第6波」に向けた医療体制の整備は急務だ

 新型コロナウイルス緊急事態宣言の期限まで1週間を切るなか、新規感染者は全国的に大幅な減少が続いている。ワクチン接種率も欧米の水準に達するなど好材料は多いが、専門家はそれでも冬場の「第6波」で医療崩壊の危機に直面するリスクが残されていると指摘する。いま取り組んでおくべき課題は何か。

 15日の衆院厚生労働委員会で、政府の対策分科会の尾身茂会長は「ワクチン接種率が上がったことによって(感染対策が)緩むということが、冬の感染拡大リスクの重要な要因だ」と述べるなど、第6波に備えた医療提供体制拡充を求める声が相次いだ。

 「第6波の感染者数の程度にかかわらず、1~2月は通常の肺炎など新型コロナ以外の呼吸器疾患が増えるため、医療が逼迫(ひっぱく)する恐れがある」と指摘するのは、元厚生労働省医系技官の木村盛世氏(感染症疫学)。

 「ワクチン接種が忙しいためコロナ患者を診療しないという医療機関もあるようだが、今後はこの理由は通用しない」として医療体制の整備を急ぐべきだと説く。

 田村憲久厚生労働相は、病院内の会議室や体育館など臨時の医療施設確保の必要性を示すほか、自民党総裁選では岸田文雄前政調会長が「野戦病院」の設置を掲げている。

 木村氏は「新たに施設を作っても冬までに医療従事者を確保するのは間に合わない。受け入れ病院を地方ごとに抽選で決め助成金を与えたり、ハブとなる専用病院に近隣自治体から搬送できる制度の構築が先決だ。健康診断やがん検診、糖尿病の教育入院など緊急性のない通常医療も見直すべきだろう」と語った。

 厚労省はコロナ患者向けの病床を確保した医療機関に、1床あたり1日最大約43万円の病床確保料を補助し、協力を求めるが、補助金が適正に使用されるか、実態調査にに乗り出す考えも示す。

 総合内科専門医で中央大大学院の真野俊樹教授(医療経営学)は、「中小病院や開業医は経営や設備の点で感染症患者受け入れに限界もある」とし、国公立病院のほか、旧社会保険庁系の病院をまとめる地域医療機能推進機構(JCHO)や、国家・地方共済組合の病院や、民間でも公益性の高い医療を担う社会医療法人などに増床や専用病院への転換を求めた。JCHOは尾身氏が理事長を務めている。

 真野氏は「欧州では小規模病院の勤務医や開業医が大病院で新型コロナ以外の患者の診療を補助する事例もある。大病院が重症患者を診察し、中小の医療機関はコロナ以外の患者の診察やコロナ軽症者の在宅医療に従来以上に注力するなど連携すれば、総動員の体制が可能ではないか」と提言した。

zakzak

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