米のインド太平洋重視具体化へ クアッド首脳会合

産経ニュース
21日、国連総会一般討論演説のため、ニューヨークの国連本部に到着したバイデン米大統領(AP)
21日、国連総会一般討論演説のため、ニューヨークの国連本部に到着したバイデン米大統領(AP)

【ワシントン=黒瀬悦成】バイデン米大統領は24日、ワシントンで日米とオーストラリア、インドの4カ国(クアッド)による初の対面形式での首脳会合を行う。中国の台頭を念頭に、「自由で開かれたインド太平洋」の理念を共有する4カ国が、新型コロナウイルス対策やサイバー攻撃への対抗策などについて連携の強化を確認する。アフガニスタン駐留米軍の撤収完了を受けたバイデン政権のインド太平洋重視政策が、具体的な取り組みとして活発化してきた。

バイデン政権高官が23日明らかにしたところでは、4カ国首脳は会合で、半導体など戦略物資のサプライチェーン(供給網)構築に向け協力することで合意する。半導体などの供給能力を確認して脆弱(ぜいじゃく)な分野を特定し、供給網の安全強化に向けた取り組みに着手するとしている。

宇宙分野では衛星データの共有による災害予測といった気候変動対策の強化に加え、東・南シナ海での中国漁船の違法操業などを念頭に、衛星を使った「海洋状況把握」(MDA)の強化に共同で取り組む。サイバー分野では重要インフラに対するサイバー攻撃対策での連携を確認する。

また、第5世代(5G)移動通信システム整備での協力強化に加え、学生を米名門大の修士・博士課程に留学させ、科学技術や工学、数学分野の人材育成を進める制度の設立でも合意する。

米政権高官はクアッドについて、21世紀の諸懸案が集中するインド太平洋地域に自由と民主主義の価値観を共有する国々が関与していく上で「枢要かつ死活的に重要な協議の形式」と位置付ける。

インド太平洋には東南アジア諸国連合(ASEAN)や、インドを中心とする南アジア地域協力連合(SAARC)といった既存の協力枠組みが存在するが、域内で経済的影響力を拡大させる中国への対抗は想定していない。

このためクアッドは、ASEANなどを補完する形で、非軍事分野の経済安全保障をめぐる域内協力を日米豪印が牽引(けんいん)していくことに最大の力点を置く。

同時に、バイデン政権が英豪とともに設立したインド太平洋での安全保障協力の新枠組み「AUKUS(オーカス)」は、クアッドで抜け落ちた軍事分野での対中連携をより積極的に展開するのが目的だ。

米英豪は、カナダとニュージーランドが加わった5カ国で構成され、通信傍受・盗聴情報を共有する「ファイブ・アイズ」のメンバーでもある。

米政権は、「グローバル・ブリテン」構想を掲げてインド太平洋への関心を強める英国を引き込み、軍事協力で歴史的実績のある米英豪の結束を中国に対抗する上での切り札にしたともいえる。

ブリンケン国務長官は、政権の包括的なインド太平洋戦略を今秋に公表する。クアッドとオーカスはその中で、戦略推進のための「硬軟の両輪」に位置付けられることになりそうだ。

>半導体供給網づくりでクアッド連携 日本に追い風

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