26日に独総選挙 左派第一党か 連立交渉は難航予想

産経ニュース

26日投開票のドイツ総選挙(下院選)では、16年ぶりに左派主導政権が発足する可能性が高まってきた。最近の支持率調査ではいずれも、左派系与党、社会民主党(SPD)が、メルケル首相の保守系与党、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)を上回り、首位を保っている。しかし、どの政党も支持率は30%に届かず、連立交渉の難航が予想されている。

CDUの首相候補、ラシェット党首は、退任を表明しているメルケル氏とともに同氏の選挙区だった独北部シュトラールズントを訪れた。メルケル人気にあやかり、「首相の後継者」であることを印象付けようとする戦略で、「左派政権では国の安全を守れない」と訴えた。

23日発表の支持率調査では、SPDが25%、CDU・CSUが21%、3位の緑の党は16%。ラシェット氏は今夏、洪水被災地で笑い転げる場面がテレビで流れて以降、人気低迷に歯止めがかからない。これに対し、SPDの首相候補、ショルツ財務相は、メルケル大連立政権で新型コロナウイルス禍の経済対策を支え、安定感への評価が広がった。

総選挙で有権者の関心は早くも、連立政権の組み合わせに移っている。今回は、3党以上の連立が必要になるとみられている。

今月初め、ショルツ氏は緑の党の首相候補、ベーアボック共同党首と討論会を行った。最低賃金の引き上げ、子育て支援などの経済公約で「われわれは似ている」と述べて、将来の連立交渉に前向きな姿勢を見せた。ベーアボック氏は、環境政策でSPDより高い目標を掲げていると強調しながら、ショルツ氏と互いに敬称抜きで呼び合い、双方の接近を印象付けた。SPDと緑の党は2005年まで7年間、シュレーダー前政権で連立を組んでいる。

外交をめぐる論議は低調。CDU、SPD、緑の党の3政党とも、欧州連合(EU)や米国との関係を重視する。中国に対しては、緑の党が新疆(しんきょう)ウイグル自治区の人権侵害で輸入制限も辞さないと公約。一方でCDU、SPDの2党は経済重視のメルケル路線を引き継ぎ、対立には否定的な立場をとる。

総選挙は、小選挙区と比例代表の併用制。有権者は2票持ち、1票を選挙区候補、1票を政党に投じる。下院定数は598だが、比例の得票率によって追加される。現下院は709議席。(ベルリン 三井美奈)