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娘を奪われモンスターと化す古田新太の迫真 映画「空白」

娘を失った父親は、怒りに我を忘れる(提供写真)
娘を失った父親は、怒りに我を忘れる(提供写真)

 主演の古田新太と松坂桃李が、がっぷり組んだヒューマンサスペンス。映画「空白」(23日公開)は、不幸のどん底で、やり場のない怒りをぶつける男を追ったドキュメンタリーのようにリアルだ。オリジナル脚本を手がけた吉田恵輔監督は、男を取り巻く人間模様を描きながら、だれの心にも潜む“不寛容”という魔物に深く迫った。

 漁師の添田充(古田)は、毎日がパワハラのような男。漁船の弟子(藤原季節)を口やかましく叱り、シングルファーザーとして一人娘の中学生、花音(伊東蒼)に厳しい。携帯を買い与えた元妻(田畑智子)も怒鳴られる。

 学校帰り、スーパーに寄った花音はマニキュアを万引きする。腕をつかんだ店長(松坂)から逃げ出し、追いかけられて車道に飛び出したところを乗用車とトラックに轢かれて死ぬ。警察署の霊安室で無惨な姿と再会した添田は慟哭、やがて復讐の鬼となる-。

 劇中の誰もが被害者で誰もが加害者のよう。モンスターと化した添田は、店長がわいせつ目的を隠蔽するため娘に万引きの疑いをかけたのではないかと勘ぐる。ワイドショーの取材に毒づく。学校の担任教師を責める。謝罪を繰り返す運転手は門前払いに。

 狂気をはらんだ古田の演技が実に迫真。それをサンドバッグのように受け止め続ける松坂の気弱さとの対比に、いたたまれなくなる。2人はどう折り合いをつけ心の空白を埋められるのか。ラストに注目してほしい。(中本裕己)

zakzak

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